学事報告(在学生の保証人の方)
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1. 関西学院大学の動向
(1)将来構想「Kwansei Grand Challenge 2039」の策定と中期総合経営計画について

関西学院は、「新基本構想(2009~2018)」の後継となる将来構想「Kwansei Grand Challenge 2039」を策定いたしました。この将来構想「Kwansei Grand Challenge 2039」は、創立150周年である2039年を見据えた超長期ビジョンと今後10年間の基本方針や方向性を定めた長期戦略からなります。
2039年、日本は超高齢化社会になり、18才人口が3割減少し、AI(人工知能)によって社会や仕事のあり方が劇的に変化します。この課題を解決するための具体的な処方箋として長期戦略を定めました。まず、卒業生が「“Mastery for Service”を体現する世界市民」として、「強さと品位」をもって社会や世界に貢献し「真に豊かな人生」を送ることを最終的な目標としています。その前提として、卒業時の「質の高い就労」(就職など学生が自ら志す進路に踏み出すこと)、さらに、これを担保するための「学生の質の保証」や「学修成果の修得」を挙げています。
今年卒業した学生が約15年先の時代において「真に豊かな人生」を送るためには、幅広い教養や専門分野の知識に加え、「主体性・タフネス・多様性への理解」や学び続ける力、論理的思考力、コミュニケーション能力、チームワーク力等の汎用的能力、倫理に基づく価値観や人間性、自律的に行動する資質が求められます。学生は、社会で活躍するための知識・能力・資質を卒業までにしっかりと身に付け(学修成果の修得)、大学は3つのポリシー(ディプロマポリシー・カリキュラムポリシー・アドミッションポリシー)を厳格に運用することにより、それを保証する仕組みを確立させ(学生の質の保証)、その信頼性の高さによって学生は自ら望む進路・就職を実現させます(質の高い就労)。
長期戦略には、これら以外に合計30以上のテーマがあり、目標達成のために多角的・総合的に取り組みます。特に、2024年度は「王子キャンパス(仮称)の開設準備」「新たな戦略に基づく国際化」「アントレプレナーシップ教育の充実」「AI活用人材育成プログラム」など重点施策を定めて、積極的に取り組んでいます。さらに、この将来構想に基づき、長期戦略を具現化させる中期総合経営計画を推進しています。
(2)文部科学省 大学のグローバル化各事業に採択 ~全学を挙げた国際化の推進~
本学はその使命として「“Mastery for Service”を体現する世界市民の育成」を掲げています。知識の修得にとどまらず、国際性と創造力、課題発見・解決能力、実行力を身につけ、それぞれの立場で地域社会・国際社会に貢献することができる人を育てています。その永年の実績とグローバル社会に向けたチャレンジングな取組みが評価され、多くの文部科学省補助事業に採択されました。2011年度にはカナダの3大学との「日加大学協働・世界市民リーダーズ育成プログラム“Cross-Cultural College”」が「世界展開力強化事業」に、2012年度には国連ユースボランティアや国際社会貢献活動などを通してグローバル人材を育成する「実践型“世界市民”育成プログラム」が「経済社会の発展を牽引するグローバル人材育成支援」(全学推進型)に採択されました。
2014年度から2023年度までの10年間は、文部科学省「スーパーグローバル大学等事業スーパーグローバル大学創成支援」(タイプB:グローバル化牽引型)に本学の構想「国際性豊かな学術交流の母港『グローバル・アカデミック・ポート』の構築」が採択され、全学を挙げて各種取り組みを推進しました。
スーパーグローバル大学創成支援(SGU)事業の取組と成果
本学のSGU構想では、教育OS(Operating System)刷新を含む大学改革を進めることにより、国内外の学生・教職員が頻繁に行き来し協働する「国際性豊かな学術交流の母港」を整え、本学のミッションである「スクールモットー“Mastery for Service”(奉仕のための練達)を体現する世界市民の育成」を実現することを目指し、以下5つの取組を柱に推進してきました。
①教育OSの刷新「ダブルチャレンジ制度」
本制度は、学生がグローバル社会で活躍するために重要な能力や資質である「主体性」「タフネス」「多様性への理解」等を身につけさせることを目的とし、全学生が所属学部の主専攻(ホーム)での学びに加え、2つ目の挑戦(アウェイチャレンジ)に取り組むことを課すもので、2018年度に導入しました。アウェイチャレンジとして、「インターナショナル」(留学等の国際交流)、「ハンズオン・ラーニング」(実社会での実践型学習)、「副専攻」(他学部での体系的な学び)の3つのプログラムを提供しており、2020年度には「アウェイチャレンジ」で単位を取得して卒業した学生数は、全卒業生の46%を占める2,907人となりました。
コロナ禍の影響を大きく受け、学生全員がアウェイチャレンジを修了するという最終年度目標の達成は叶いませんでしたが、2024年度以降は、成果検証でダブルチャレンジの中でも学生のコンピテンシーの伸長に最も寄与することが証明された「インターナショナルプログラム」への参加を学生に奨励する「グローバルチャレンジ制度」に発展させて継続します。
②協定に基づく海外派遣学生数日本一
SGU事業採択前の2013年、本学は独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)が実施する調査「協定に基づく海外派遣学生数の多い大学」で全国4位(810人)でした。学部・研究科の専門に根差した留学プログラムの拡充を含め、全学を挙げて取組を推進し、2018年度実績の1,833人で、全国首位の目標を達成しました。2019年度実績では年度末にコロナ禍の影響を受け、僅差で早稲田大に次ぐ2位となり、その後の2年間はコロナ禍によって大きく落ち込んだものの、2021年度秋学期からは交換留学を中心に派遣を再開し、2022年度秋学期より全面的に渡航プログラムを再開しました。大学を挙げた留学支援のための各種取組が奏功し、2023年度は1700人を超える学生を派遣し、全国首位となった2018年度に次いで、過去二番目に多い派遣者数を達成しました。また、2023年度に開催されたSGUプログラム委員会によるSGU事業検証においても本取組が高く評価され、グッドプラクティスに選出されました。
③国連・国際機関等へのゲートウェイ創設
国際機関、国際NGO職員や外交官を育成するプログラムを高大接続から学部、大学院、そしてその修了後のキャリア支援まで体系的に整備した、日本でも唯一と言えるスキームを構築しました。2017年度に、複数の大学院研究科(修士)が共同で副専攻「国連・外交コース」を設置し、2023年度までに50名を超えるコース修了生を輩出しました。また、学部レベルでは、2017年度入学生から副専攻「国連・外交プログラム」の提供を開始し、2023年度までに約60名が修了しました。国際公共分野でのキャリアの第一歩を踏み出す修了生が複数名輩出してきており、構想の成果が着実に表れています。今後、この取り組みをさらに発展させるため、2025年度より、総合政策研究科に国連システム政策専攻を新設する予定です。
④国際通用性のある質保証システム構築
全米大学協会(AAC&U)のMSC(Multi-state Collaborative)プロジェクトへの参加や質保証の専門家を招いたシンポジウムの開催等によって得た知見や海外先進事例を参考にして、学修成果・教育効果の定義・目標・指標を定め、それらを検証するために入学時・1年生・3年生・卒業時・卒業後1年目、卒業後(56年目まで)を通貫する本学独自の調査体系を完成させ、在学時だけでなく卒業後の人生まで射程を延ばした学修・教育の効果検証に取り組みました。
また、2019年度より、調査結果と学生の多様なデータを整備した「IR分析基盤システム」を構築し、多角的な分析に取り組んで学内に結果を報告し、シンポジウム等で成果を広く公表しています。
⑤ガバナンス改革による総合的マネジメント実現
経営と教学が一体となってマネジメントに取り組むことをめざし、ガバナンス改革を行いました。2018年度に新たな将来構想・中期総合経営計画を策定し、教学と経営(財政、人事、建設、情報化)、大学と学部・研究科、大学と院内小中高校等それぞれが中期計画によって連動する「総合的なマネジメント」の基盤を確立しました。また、ヘッドクオーター役として2016年度に「総合企画部」を設置し、120の新規施策の推進を管理し、重層的なPDCAサイクルを指標データを活用しながら適切に循環させる本学固有の「内部質保証システム」の構築に取り組みました。2023年度からは、企画担当理事に学外理事が就任し、経営企画機能の一層の向上に取り組んでいます。
本学は、SGU事業を通して培ってきた成果を基盤に、一部取組の見直しを図りながら、今後も「“Mastery for Service”を体現する世界市民の育成」というミッションに向かって、より一層の国際化を推進していきます。
(3)認証評価で「適合」の評価結果
本学は2020年度に大学基準協会で3回目の認証評価を受け、「適合」の評価結果を得ました。認定期間は2021年4月1日から2028年3月31日までの7年間です。この認証評価は7年以内に一度、大学としての適切な教育研究水準を維持し、質の保証と向上に取り組んでいるか、そのための組織・体制が整い、質保証のシステムが適切に機能しているか等について認証評価機関による評価を受ける制度です。
超長期の構想と10カ年の長期戦略からなる独自の計画体系を構築し、教育成果の対象と範囲を正課外の教育、卒業後にまで広く捉えている点は「特に優れた取組み」として高く評価されています。
2. 教育・授業に関すること
(1)建学の精神-キリスト教主義教育とチャペルアワー

私立大学はそれぞれ建学の精神を持って創立されていますが、本学の建学の精神・教育理念はキリスト教主義に基づく人間形成です。それを簡潔に示しているのがスクールモットー「Mastery for Service」(奉仕のための練達)です。これは第4代院長のベーツ博士が学生に語った言葉であり、自己修養(練達)と献身(奉仕)を合わせ持つ生き方の尊さを示したものです。本学では、キリスト教を通した人間理解を学びのベースに置き、キリスト教の精神に触れることで、人間の本質を理解し、世界への視野を広げ、思考や価値観の指針を形づくることをめざし、すべての学部でキリスト教科目を必修としています。また、1時限目と2時限目の間にチャペルアワーを設け、神の前に身を置くことで自らを見つめ直すとともに、未来に向けてどう生きるべきかを静かに想う時間としています。
(2)授業

①大学・大学院祝日授業実施
ハッピーマンデー制度による祝日や祝日の振替休日により各曜日の授業回数を確保することが極めて困難な状況をふまえ、2023年度は下記の祝休日に授業、補講・試験、追試験を実施します。
祝休日:4月29日(昭和の日)、7月15日(海の日)、10月14日(スポーツの日)、11月4日(文化の日振替)
なお、2021年度以降の授業スケジュール(授業時間含む)について、近年、法令の改正によって、知識伝達型の授業から、教員と学生が双方向に意思疎通を図る授業への改善を行うなど、学生の主体的な学びを促進すべく弾力的な学年暦の設定が可能になり、本学においても、教学改革の一環として、単位制度の実質化に対応しつつグローバルな課題と社会的要請に応えるための授業のあり方や学年暦について、全学的に慎重に協議を重ね、2021年度から、大学・⼤学院(司法研究科を除く)における学年暦・授業時間割を抜本的に変更しました。主な変更と目的は以下の通りとなります。
・1時限あたりの授業時間を90分から100分に変更し、授業時間割を刷新
100分授業の導入は、単に授業時間数の確保が目的ではなく、多様な授業⽅法(例えば反転授業やアクティブラーニング、授業の前後半を活用した授業展開など)への転換を促進するとともに、学生の主体的な学修を促します。
・災害等による休講に対する補講日を5日間確保
台風や公共交通機関の遅延等による休講に対して、各曜日分補講日を設けることにより、これまで以上に単位制度に沿った授業時間数を確保します。
・定期試験期間を7日間に短縮
休業期間におけるインターンシップや海外留学等の学外活動への参加機会を拡充するとともに、授業科目に対する多様な成績評価方法への転換を促進します。
・本学の海外留学プログラムと定期試験(追試験を含む)との重複時の課題を解消
これまで重複時は、留学か試験のどちらかを選択しなければなりませんでしたが、代替の評価方法で成績評価することにより、全学的に海外留学プログラムへの参加を推進します。
・祝休日における授業等の実施を抑制
祝休日における授業等の実施を減少させ、授業外での学修機会および課外活動やインターンシップ等の活動機会が拡がるよう、ゆとりある学年暦とします。
②複数分野専攻制(Multidisciplinary Studies:MS)
複数分野専攻制(以下MS)は、通常の他学部履修とは異なり、自学部の学習を軸に、他学部のカリキュラムをまとまった形で学ぶことができるものです。学部の枠を超えた領域を学ぶことによって、幅広い知見と深い専門性を備えた学生を輩出するため、各学部・センターがプログラムを提供しています。
MSにおいて提供されるプログラムには副専攻プログラムと特別プログラムの2種類があります。各プログラムとも一定のまとまりをもった科目群から2~3年間でおおむね40単位を修得することによって修了となります。プログラム修了者には、卒業時に学位記とあわせて独自の修了証書が授与されます。
③マルチプル・ディグリー(MD)制度
上記②の複数分野専攻制と早期卒業制度・4年次編入を組み合わせて、最短4年間で2つの学部を卒業し2つの学位(学士)を取得できるものとして、日本で初めて本学が導入した制度です。2024年3月には12名の学生が卒業しました。本年度は11名がこの制度を利用して編入学し、2つ目の学位取得を目指して
います。
④成績評価とGPA(Grade Point Average)制度
学生の多面的な能力を評価するために、本学では定期試験のみの成績評価ではなく、授業中の討論、発表、リポート等を含めた、より総合的できめ細かな成績評価制度を行うこととしています。成績証明書には素点に応じて2018年度以前入学生はS、A、B、Cの4段階、2019年度以降入学生はS、A+、A、B+、B、C+、Cの7段階で表記されます。また、各授業科目の授業形態、授業目的、到達目標、授業計画、成績評価方法・基準などを記載したシラバスを本学ホームページに公開しています。
加えて、GPA(Grade Point Average)制度を導入しています。この制度は、学生が履修した各科目の成績評価に対して一定のGP(Grade Point)を与え、その合計の加重平均をGPAとして提示する成績評価方法です。この制度を通じて学生が自己の履修を管理し、学習成果がどのレベルに位置するかを把握し、学習意欲を高めることが期待されます。GPAに基づく成績優秀者については、それを学期ごとに学部にて掲示し、顕彰します。さらに卒業時には各学部の4年間のGPA上位5%の者に対して学長より表彰状を授与しています。
⑤セメスター制と単位制
1年を春学期と秋学期に分けるセメスター制を導入し、4年間8学期でカリキュラムを編成しています。一つの科目を半年間で集中的に学ぶことにより、学習効果が高まるとともに、留学等の計画が立てやすいという利点があります。一部の学部ではさらに集中的に学ぶクオーター制の授業も開講しています。
また、卒業(学位取得)のための必要単位数を定めており、一つの科目を所定の期間履修し、試験やリポートなどの評価で総合的に合格すれば単位を修得できます。定期試験は、春学期は7月下旬から8月上旬、秋学期は1月下旬に行われます。
⑥教授者―学習者支援システム(LMS)の活用
授業担当者と受講生を繋ぐコミュニケーション・授業支援ツールであるLMS(Learning Management System)を導入しています。教材の配布や課題の提出、テストの受験、教員からのフィードバック、質疑応答やグループ学習の意見交換など、多くの授業で活用されています。
⑦学修行動と授業に関する調査
学生を対象として、学修行動と授業に関する調査を行っています。「学生自身による学修行動・成果の振り返り」、「授業担当者が授業内容や方法の改善に取り組むこと」、「授業環境について組織的な改善に結びつけること」を目的に、毎学期実施しています。授業への取り組み状況や、授業で身についた知識(技能)・物事の見方、授業や教室設備への評価などを質問しており、学生は自身の回答の一部や全体の結果を学内システムで確認することができます。
調査結果は、各授業担当者にフィードバックして、教員自身による授業内容の充実や改善に役立てるほか、大学での組織的な改善の取り組みにも活用しています。また、調査結果に対する授業担当者からのコメントや、結果を分析した報告書を学内システム上で公開しています
⑧学生調査・卒業生調査
新入生、在学生や卒業生を対象とした各種調査を実施しています。在学生を対象とした調査では学習経験や入学後の能力変化、将来に対する意識などを、卒業生を対象とした調査では在学時の学生生活や満足度、現在の就業状況や大学とのつながりなどについて尋ねています。これらの調査結果をもとに、大学全体の改善に結びつけられるよう取り組んでいます。
⑨FDの取り組み
上述の「学修行動と授業に関する調査」による授業改善の取り組みのほか、各学部・センター等でのFD研究会の開催や、高等教育推進センター主催での講演会・ワークショップの開催など、全学的にFD活動を推進しています。
(3)特色ある教育
①AI活用人材育成
2019年度より、本学と日本IBMが共同開発した「AI活用人材育成プログラム」を開講しています。このプログラムは、今後の社会で益々必要とされるAI活用人材(AIやデータサイエンス関連の知識を持ち、それらを活用して現実の諸問題を解決できる能力を有する人)を育成するものです。
基礎から実践、応用まで段階的に学べるように設計されており、文系・理系関係なく、AIやプログラミング等に関する特別な知識やスキルがなくても履修できます。全10 科目(20単位)で構成され、講義だけでなく多くの演習や PBL(Project Based Learning) も組み合わせた、ビジネスの現場でも役立つ実践的なプログラムとなっており、世界でも先駆的な取組みとして注目されています。
2024年度は、6科目をバーチャルラーニング(オンラインにて演習含むすべての授業とテストを受講でき、TAチャットボットへの質問や、トークボード上での意見交換を行うことができるオンライン授業形態)として開講します。また、2024年度より、AI活用発展演習Ⅰの先取条件を変更のうえ、「AIプラクティショナーコース」を設置しました。プログラミングスキルの習得より先にデータサイエンスやデザイン思考の基礎を含めることにより、データ分析も含めた総合的なAI活用スキルの習得が可能となります。
バーチャルラーニング科目の単位修得者には各科目のオープンバッジが授与されます。さらにAIプラクティショナーコース修了者・プログラム修了者には特別なオープンバッジに加えて、修了証書が授与されます。
②ハンズオン・ラーニング
ハンズオン・ラーニングセンターでは「キャンパスを出て、社会に学ぶ」をキーコンセプトに、全学部・全学年を対象としたハンズオン・ラーニング・プログラムを開発・提供しています。 ハンズオン・ラーニングは、国内で唯一、関西学院大学が提供する教育プログラムで、社会に「何を」学ぶのか、自らの考えを研ぎ澄まし、問うべき問いは何かを探究します。「触れる」をキーワードとした学びのスタイルを身に着け、“考える”ことそのものを鍛えます。
現場に「触れ」 、抽象度の高い課題を実践的に取り組むことによって、大学の学びの基盤をつくります。
③ライティング教育
2020年4月より、ライティングセンターを設置し、「ライティング科目」の運営と「対面指導」という2つのアプローチから、学生の「書く力」を養成し、論理的思考力や表現能力を身に付けた「自立した書き手」を育成しています。
「ライティング科目」については、2020年度より、『スタディスキルセミナー(リポート執筆の基礎)』を開講しています。本科目は、大学でリポート課題に取り組むことに対して不安を抱えている学部生や、リポートの書き方を体系的に学びたい学部生を対象としています。主な対象者は1年生ですが、2年生以上の受講も可能です。 本科目では「文章を書き、教員による添削や受講生同士での相互評価の内容を参考に、書いた文章を修正する」という実習形式の活動を繰り返し、大学や社会で求められる基本的なライティングスキル・論理的思考力の習得を目指します。
「対面指導」については、2021年度からスタートし、現在は対面とオンラインの併用で指導を実施しています。「対面指導」は、授業のリポート課題や卒業論文など、アカデミックな文章を書くことで悩んだり困ったりしたときに、ライティングセンター専属のスタッフや教育指導員(本学大学院生)から1対1でアドバイスを受けることができるというもので、相談は1回あたり45分(予約制)です。どうすれば書き手の考えが的確に伝わってわかりやすい文章になるかを、書き手自身が気づいて修正できるよう、対話を通じた支援をおこなっています。
また、経済学部の1年生向けに動画教材を提供する等各学部との連携強化をはじめ、今後も全学的な学生のライティングスキル向上にむけた様々な取り組みを充実させていく予定です。
④少人数教育とオフィス・アワー
少人数教育を重視し、演習科目(ゼミナール)を中心に密度の濃い学習指導を行っています。 また、教員と学生のコミュニケーションを深めるために「オフィス・アワー」を設けています。各教員が週に一度時間を定め、学生はその時間を利用して個人研究室を訪問し、授業での疑問点や関心のある問題の取組み方など勉学に関すること、学生生活上のさまざまな相談事などについて、直接、教員から指導を受けたり、語り合うことができます。
(4)国際教育

①言語教育
「英語の関学」の伝統を受け継ぎ、国際化時代をリードする人材の育成をめざして言語教育プログラムを展開しています。習熟度別クラス編成を徹底するため、入学予定者を対象として、入学前の2月~3月にプレースメントテスト(GTEC)の自宅受験を実施しています。また、学生の学習到達度を統一的に測るため、1年次と2年次にアチーブメントテスト(TOEIC-IP)を課しています(総合政策学部はTOEFL-ITPを実施)。この他、海外留学プログラムへの学生参加を促進するため、留学を目指す学生を主な対象として、無料でTOEFL-ITPを受験できる機会を提供しています。また、在学期間を通して継続的な英語学習環境を提供し、自主的な学習を行えるようe-learning教材の活用も推進しています。
ドイツ語、フランス語についてもインテンシブ・プログラムを実施するとともに、夏季には、フランシュ・コンテ大学でのフランス語研修、ブレーメン州大学共通言語センターでのドイツ語研修を実施しています(2020年度及び2021年度は新型コロナウイルス感染拡大のため中止となりました)。さらに英語以外の選択言語としてフランス語、ドイツ語、ロシア語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、アラビア語、中国語、朝鮮語、インドネシア語、日本手話を開講しています。
②留学プログラム
本学は、世界59カ国・地域、310を超える海外の大学・コンソーシアム等と学術交流協定、学生交換協定あるいは学部間協定を締結しています。このパートナーシップに基づいたさまざまな留学、国際教育プログラムを展開し、世界市民としての第一歩を力強くサポートしています。海外協定大学・機関等への留学制度として①「交換留学」(本学に在籍しながら協定大学へ1学期間または2学期間留学できる制度)、②「長期留学(学部科目履修型)」(本学の協定大学で1学期間または2学期間留学して英語を集中的に学習し、学部授業を履修できる制度)、③外国語運用能力の習得に焦点をあてた「英語中期留学」、「フランス語中期留学」「スペイン語中期留学」、ビジネス英語に加えて現地企業でインターンシップを行う「中期海外インターンシップ」、④夏季・春季休暇等を利用した「外国語研修」、「インドネシア交流セミナー」、「短期海外インターンシップ」などを設けています。さらに、グローバル社会の発展・成長に寄与できる世界市民リーダーズを育成することを目的としたバーチャルカレッジ“Cross-Cultural College”をカナダの協定4大学(キングス/ウエスタン大学、マウント・アリソン大学、クイーンズ大学、トロント大学)と協働で運営し、高い英語運用能力と多国籍な場面で活躍できる能力を養う実践的なプログラムを提供しています。また、社会学部、商学部、国際学部には本学と海外大学の両方の学位が取れる「ダブルディグリー制度」もあります。
このほか、本学はアジアの大学として初めて国連ボランティア計画(UNV)と協定を締結し、2004年度から開発途上国への「国連学生ボランティア」派遣を開始し、これまでに100名以上の学生を開発途上国へ送り出してきました。2013年度に「国連ユーズボランティア」としてプログラムが改編され、現在、国内4大学(基幹校:関西学院大学、連携校:明治大学、明治学院大学、立教大学)が国連機関と連携しプログラムを実施しています。また、同年、本学内に「『国連ユースボランティア』派遣日本訓練センター」を設置し、派遣前の研修を実施しています。この国連ユースボランティアに加え、2013年度からは国際協力機構(JICA)の協力先機関、赤十字国際委員会(ICRC)、NGO、教育機関等に学生を派遣する「国際社会貢献活動」を実施しています。またこれらのプログラムへの参加を検討している学生向けの短期プログラム「海外フィールドワーク」も導入的学びとして実施するなど多彩なプログラムを提供しています。
学生の海外留学を後押しするため、経済的負担を軽減するための支援もあわせて行っており、ほぼすべてのプログラムにおいて受給可能な奨学金(返還不要)を支給しています。また、昨今の円安、インフレ等の環境変化に対応するため、期間限定(2022年度・2023年度)で留学費用を支援する「緊急留学支援金」を急遽設置するなど学生が海外留学に踏み出すための支援を行っており、2024年度も継続支給することを決定しています。
本学は2014年度にスーパーグローバル大学(タイプB:グローバル地域牽引型、以下SGU)に採択後、海外派遣者数が順調に伸び、2023年度はのべ2078名の学生を海外に派遣しました。SGU採択前から比べると海外派遣者数や約2.3倍になっており、引き続き学生の約2人に1人が留学することを目指しています。
2024年度からは海外留学やボランティア等の海外に渡航して学ぶプロプログラムだけでなく、キャンパス内外で留学生と共に学ぶ科目「流合科目)等で構成する「インターナショナルプログラム」へのチャレンジを全学部生に推奨する「グローバルチャレンジ制度」(
https://ciec.kwansei.ac.jp/abroad/preparation/globalchallenge/
)を導入しています。本学のスクールモットーである“Mastery for Service(奉仕のための練達)”を体現する世界市民として活躍する力を養うことを目的として、海外派遣のみならず国内でも留学生と共に学ぶ共修の機会を提供しています。
(5)大学図書館
地上3階、地下2層からなる西宮上ケ原キャンパス大学図書館は、収容能力は約150万冊で、館内にはデスクトップパソコン68台と貸出用ノートパソコン40台を備えています。また、1,200席を超える閲覧座席では個人のパソコンを使用した自習ができ、充電可能な座席も各階に多数あります。利用者が館内のほとんどの図書や雑誌を自由に手に取って利用することができる開架制を採用しているのが、大きな特徴です。DVDなどの視聴覚資料も充実しており、館内の利用コーナーで視聴することができます。
大学図書館は西宮聖和キャンパスと神戸三田キャンパスに分室があり、これらの図書館の図書・資料を利用することもできます。西宮聖和キャンパス図書館は、約20万冊の図書や雑誌を備え、教育関係、特に幼児、初等教育関係の資料が充実しています。
神戸三田キャンパス図書メディア館では、社会科学分野と自然科学分野を中心に約30万冊の図書や多数の雑誌、視聴覚資料等を利用することができます。また、デスクトップパソコン112台、貸出用ノートパソコン31台、利用相談カウンターを備えたメディア・フォーラムを併設しています。
加えて、本学図書館は、豊富な電子資料を提供しています。本学の学生は、約17万点もの電子ブック、約5万種類もの電子ジャーナル、約250種類のデータベースなどを自由に利用することができます。これらは大学図書館Webサイトを通じて利用でき、学内各キャンパスはもとより、ご自宅など学外からでも利用可能です。
これら3キャンパスの図書館は、相互に資料を取り寄せて利用したり、所属学部によらずどこからでも電子資料にアクセスしたりすることができ、大学図書館として一体化した運用がなされています。
なお大学図書館は、関西学院大学の学生ならびに同窓生のすべてが「生涯課題(ライフミッション)」の追求のために学ぶことのできる知の拠点であり、卒業後も生涯にわたって利用することができます。
3.学生生活に関すること
(1)学生生活支援
①奨学金制度
学費の負担を少しでも軽減し勉学に専念できるよう「日本学生支援機構奨学金」「国の修学支援新制度」の他、相互扶助の精神にもとづき本学独自の支給奨学金「関西学院大学就学奨励・経済支援奨学金」等の奨学金制度を設けています。例年は、3月に日本学生支援機構奨学金の新規希望者対象の出願説明会を実施し、4月に出願を受け付けています。学内の奨学金に関しては、9月に関西学院大学就学奨励・経済支援奨学金の募集を周知し、10月に出願を受け付けています。
他にも文化・芸術・スポーツ・社会貢献等の正課外活動を評価する制度や成績優秀者を対象とした制度も設けています。
また、過去1年間での家計急変者を対象とした「関西学院大学特別支給奨学金」、同様の学生を対象とした関西学院後援会からの支援による「後援会奨学金」を5月に募集いたします。
②総合支援センター
総合支援センターには、「キャンパス自立支援室」と「学生支援相談室」の二つの専門部局があります。
「キャンパス自立支援室」は何らかの障がいや病気、特性のある学生の修学支援や就労支援を全学的に行うための総合窓口です。「学生支援相談室」は学生生活上でのさまざまな悩みや問題について、個別に相談ができます。「キャンパス自立支援室」にはコーディネーター、「学生支援相談室」にはカウンセラーと、それぞれ専門的な知見を有するスタッフが配置されています。
<キャンパス自立支援室>
障がいのある学生が、他の学生と同様に学びながら充実したキャンパスライフを過ごせるように、関西学院大学「障がい学生支援に関する基本方針」・「障がい学生支援実施基準(ガイドライン)」に基づき全学的な修学支援を行なっています。修学支援は、ノートテイク、映像の字幕付け、点訳、対面朗読等の手段により行なっており、これらの支援を募集・養成した学生(学生サポートスタッフ)が担っています。また、困り感を持つ学生のための進路相談・就労支援を行っています。支援内容は障がいの ある学生一人ひとりのニーズに基づき、個別に支援方針を決定しています。
<学生支援相談室>
公認心理師、臨床心理士等の資格を有するカウンセラーが、①心理領域相談(対人関係、心身の不調、家庭問題や自分の性格等についての悩み等)②修学領域相談(単位取得、転学部・転学科、休学・退学、進路選択等)③生活領域相談(課外活動、学生生活に関する悩みや事故・事件など各種トラブル等)に対応しています。通常は対面での相談ですが、対面での相談が難しい状況下では、電話やオンラインでの相談も実施しています。また、学生からの希望に基づき、学内外の諸機関等と連携してサポートをする事もあります。その他にも、本学卒業生の弁護士による「なんでも法律相談」を年間12回実施し、法律に関するトラブル等の相談にも対応しています。

(2)課外活動
課外活動は学生の主体的な活動であり、その活動は学生の人格形成に大きな役割を果たしています。
現在、本学には160以上の課外活動団体があります。
「体育会」は43部・約2,500名により運営されています。体育会の学生については、2019年度入学生からAcademic Eligibility for KG athletes(関西学院大学体育会員に関する対外試合出場のための資格制度)が導入され、課外活動と学業の両立にも果敢に挑戦しています。また、地域のこども園を訪問したりスポーツ体験会を開催するなど、様々な社会貢献活動を実施しています。
「文化総部」は文化系クラブ35部・約1,100名から構成されています。
「新月祭実行委員会」が主催する大学祭(新月祭)は3キャンパス合計で約2万5千人が訪れる大規模なイベントで、多くの学生たちの活動発表の場となっています。2023年度は、感染症の影響もなく、従来通りの形態で開催することができました。
その他、4つの総部や約70におよぶスポーツ系・文化系・学術系の同好会である登録団体が日々活発に活動しています。
なお、課外活動は、これまで独自の規則などに則って管理運営しており、学生の自主活動として、正課とは一線を画した「課外活動」と位置付けられてきました。しかしながら、近年の高等教育研究において、多くの学生が社会で必要とされる汎用的能力を課外活動によって身につけていることが示されているほか、大学は学生に知識を修得させるだけでなく、汎用的能力の育成や価値観・倫理観等の資質の涵養を求められています。これらを「正課外教育」として位置付け、まずはスポーツ活動から取り組みを具体化するため、2021年4月1日に「競技スポーツ局」を設立し3年が経過しました。
(3)通学に関すること
①自動車・バイク通学について
西宮上ケ原キャンパスでは、交通事故の原因や近隣住民の迷惑になるため、自動車による通学(身体障がい学生の利用などを除く)および総排気量50cc超のバイク通学を全面禁止し、総排気量50cc以下のバイクによる通学は自粛として、入学時に誓約させています。神戸三田キャンパスでは、公共交通機関の整備が西宮上ケ原キャンパスに比べると十分とは言えない面もあり、やむを得ず自動車通学を必要とする学生には申請・許可制により自動車通学を認めています(駐車場は有料)。西宮聖和キャンパスでは、関西学院幼稚園が併設されていることもあり、自動車・バイク通学を一切禁止しています。
なお、これらの取り決めを守らず迷惑駐車・駐輪、排気量超過のバイク通学等を行った場合は大学による指導を行い、改善が見られない学生には停学処分を含めて厳しく対処いたします。
②自転車通学について
通学にあたり、手軽な手段である自転車を利用する学生も多くいますが、自転車が「車両」であることの法規を理解せず、通行区分を違反(右側通行など)する者、イヤフォンを装着して乗車する者、学内で走行する者もおり、加害者となり得ることを考慮しないケースがあります。
また、キャンパス内の駐輪場では、警備も行っているものの自転車盗難が発生しており、駐輪時には必ず2つ以上の鍵で施錠するよう注意喚起しています。なお、自転車の乗車に関してもヘルメット着用が努力義務となりましたので、その旨も注意喚起しています。
③マナー向上啓発活動
近年、キャンパス周辺での学生のマナーの低下が多くの近隣住民等より指摘されています。周辺住宅街における迷惑駐車・駐輪をはじめ、一般歩道での自転車・バイク駐輪、電車・バス内での迷惑行為、通学路における信号無視(歩行者・自転車・原付バイク)やルール違反、横に広がって道を歩き他の通行人や車両の迷惑となる、ゴミのポイ捨て、人混みでの歩行喫煙、サークルの飲み会で深夜まで騒ぎ近所迷惑となる等の苦情が寄せられています。
本学では、新入生オリエンテーション等における啓発活動のほか、学生団体への注意説明会、一人暮らしを始める新入生対象に一人暮らし説明会を実施しています。また、学内では指定場所以外は禁煙となっていますが、指定場所以外で喫煙する学生が散見され、教職員が注意を行っています。
④安全安心な学生生活のために
新入生全員に学生生活での注意点について解説した冊子「学生生活スタートブック 学生生活は危険がいっぱい」を入学時に配布しています。また、2年生以上には、同じ内容のウェブコンテンツのリンクを掲載した案内チラシを配布しています。
活動範囲や交友関係が一気に広がる大学生活では、薬物乱用(危険ドラッグや大麻など)やカルト、特殊詐欺に関わる「闇バイト(出し子など)」、飲酒トラブル、セクハラやアルハラなどのハラスメントなど様々なリスクが潜んでいます。これらの危険を回避し、被害者にも加害者にもならないよう、オリエンテーションやゼミを通じて教職員より注意喚起しています。
4. 就職・キャリア支援
関西学院大学の就職・キャリア支援は、「学生一人ひとりに寄り添い、長所を引き出し、強みを生かす」ことを基本的な考え方としています。就職活動を自らの人生を考える一つの機会ととらえ、自分らしい生き方、働き方を考える、様々なプログラムを提供しています。
さらに、各種ガイダンスの開催や個人面談、先輩学生による支援に加え、就職活動のオンライン化に対応するためにICTを活用したサービスも提供。万全のサポート体制を整え、高い就職率および就職先への満足度につなげています。
(1)2023年度就職活動の状況
①大卒求人動向
2024年3月卒業者対象の大卒求人倍率は1.71倍で、前年の1.58倍から0.13ポイント上昇し、コロナ禍前水準にほぼ戻りました。従業員規模別でも、すべての企業規模において求人総数は増加し、企業規模にかかわらず採用意欲が回復しました。
ただし、従業員規模5,000人以上企業においては、求人総数を就職希望者が大きく上回り、大手企業は狭き門という状況が続いています。企業規模にこだわらなければ選択肢は多い状況であるといえます。
【数値はリクルートワークス研究所「大卒求人倍率調査」による】
②就職活動スケジュール
2024年3月卒業者の就職活動は、前年同様、「広報活動」を3月以降、「採用選考活動」を6月以降とするスケジュールが政府から採用企業側に要請にされました。しかし、実態としては就職活動は年々早期化しており、政府要請に拘束されず早期から採用活動を実施する企業も多数あります。また、3月の広報活動開始はエントリー開始にあたり、採用選考までの期間が非常に短期となっているため、いずれにしても早めの準備が重要となります。
※広報活動:採用情報提供や就職活動生の個人情報取得に向けた活動。
採用選考活動:合否を伴う面接や試験等。
(2)本学学生の就職状況(2024年3月卒業者)
就職率(※1)は99.7%(男子99.5% 女子99.8%)、就職・進路決定率(※2)は91.5%(男子91.6% 女子91.4%)と昨年を上回る結果となりました。
また、就職先への満足度(※3)は98.2%(男子97.5% 女子98.8%)と昨年度同水準で、学生自身が納得のいく進路決定を実現できている状況が続いています。
(※1) 就職率=就職者(自営除く)/就職希望者数
(※2) 就職・進路決定率=(就職者+自営)/(卒業者-進学者)
(※3) 満足度=進路決定時学生アンケートにおける「大変満足」「大体満足」の合計人数/回答者数
(3)サポート体制
①就職支援
a)学内サポートプログラム
・キャリアガイダンス(3年生・M1年生対象)
(3月) 「卒業後の進路(就職・進学・その他)を考える」
(4月) 「就活・インターンシップを知る」「筆記試験を知る」
(12月) 「いざ本選考!おさえておきたい『採用のリアル』」
・筆記試験対策(筆記試験対策セミナー実施、筆記試験対策ツール「SMART SPI」の提供)
・業界・仕事研究(オンライン先輩訪問会、業界研究セミナー、学内企業セミナー等の実施)
・インターンシップ対策(業界研究セミナー、人気企業の内々定者・卒業生座談会等の実施)
・エントリーシート、面接対策(各種対策セミナーの実施)
・学校推薦に関する説明会(理系学生対象)
その他、年間を通じてさまざまなテーマでセミナーや講座を実施し、就職活動を支援しています。イベントによっては参加対象学年に制限を設けず、低年次からの情報収集や準備が可能な体制を整えています。
b)各種コンテンツ・個人面談(オンライン・対面による予約制個別相談)
経験豊かなキャリアアドバイザーが学生と1対1で向き合い、自己分析から面接対策に至るまで、学生それぞれの持ち味を活かした活動に向けたアドバイスをしています。各キャンパスにおける対面に加えオンライン形式でも対応しており、自宅や留学先からも相談することができます。
・KGキャリアナビ
関学生が日々活用するポータルサイト「kwic」からログインできる「KGキャリアナビ」で企業や団体から大学に届く求人やインターンシップ情報の検索が出来ます。他にも企業情報、先輩の就職活動体験記などの各種情報をスマートフォンやパソコンから閲覧できます。また、個人面談や各種イベントの予約などもこのサイトから行うことができます。
・KGキャリアチャンネル
ガイダンスやセミナー等のリアルタイム配信の視聴や、過去に実施したセミナーや先輩の就活体験談等の アーカイブ動画の視聴など、役立つコンテンツが満載の関学生専用の動画チャンネルです。
・SR(Student Reporters)
毎年、就職活動を終えた4年生が、相談会などを開催し、後輩の就職活動を力強くサポートしています。長年にわたり受け継がれている本学の特徴的なサポートのひとつです。
・SNSを通じた情報の発信
キャリアセンター公式X(旧Twitter)、Instagramアカウントを運用しており、キャリアセンター主催イベントや各種プログラムの案内、就職活動中の学生に向けた激励メッセージなど、タイムリーな情報発信を行っています。
②キャリア教育
キャリアセンターでは、”Mastery for Service”を体現する世界市民の育成をめざし、1・2年次から受講できる「ライフデザイン科目」を開講しています。オンデマンド科目の「KGキャリア入門」は6,600名もの学生が履修しました。各分野で活躍する様々な職業の卒業生が語る、当時の大学生活や現在の仕事の話を通じて、「関学で学ぶこと」の意味を考える内容となっています。他にも、社会で活躍する卒業生や企業担当者、他学部生とともに卒業後のキャリアについて考える実践的な科目を複数提供しています。
5. 生涯学習に関すること

生涯学習を担うという大学の使命のもと、社会人を対象として大学の教育・研究成果を授業、講座、講演会といったさまざまな形でプログラムを提供し、地域や社会に貢献しています。また、在学生を主な対象として各種資格取得をめざすエクステンションプログラムも提供しています。
(1)大学の授業を受講できるプログラム
①科目等履修
大学および大学院で開講している授業科目を受講し、単位を取得できる制度です。
②聴講
大学および大学院で開講している授業科目を受講できる制度です。聴講した科目について成績評価を受けることができますが、単位は取得できません。
③関西学院大学リベラルアーツ・プログラム(KGLP)
社会人を対象として、急速に変貌する社会を読むための技術、知識と、「教養と生き甲斐の追求」の糸口を提供するプログラムです。「国際情勢を読み解く」、「心理とカウンセリング」など、10以上のテーマを設定し、テーマごとに各学部の科目を横断的に履修できるようにパッケージ化して提供しているもので、単位を取得できる制度です。また、8単位以上の修得で修了証を交付します。
(2)ビジネスパーソンを対象としたプログラム
TKC・関西学院大学 新月プログラム「税理士のための会計講座」
TKC全国会と協力して税理士、会計士を対象とした会計に関する専門性の高いプログラムを提供しています。2024年度には第20期の講座を開講し、時代の変化に合わせて受講生のニーズに応えながら、プログラムの更なる充実を図っています。
(3)社会人を対象としたプログラム
①K.G.ライフワークスクール
社会人を対象として「キリスト教」、「歴史」、「法学」など幅広いテーマについて関西学院大学の名誉教授らがわかりやすく講義します。大阪梅田キャンパスと西宮上ケ原キャンパスで実施しています。
②オープンセミナ-
主に地域住民の皆様を対象とした、無料の公開講座を春と秋に実施しています。本学の様々な学部が企画した幅広いテーマで、西宮上ケ原キャンパス講座と神戸三田キャンパス講座として提供しています。
③インターカレッジ西宮
西宮市が主催し、市内大学・短期大学の教員が講師となって西宮市民の皆様へ講座を提供している「インターカレッジ西宮市民対象講座」に本学も講座を提供しています。
(4)エクステンションプログラム
エクステンションプログラムは、単なる資格取得や就職対策のためだけに開設するのではなく、大学教育の一環として、在学生が将来の進路を的確に捉え、それに向かう準備をするための支援として位置づけているプログラムであり、卒業生や社会人の方の受講も可能となっています。講座の選定にあたっては、正課授業の履修との相乗効果を視野に入れて講座内容を審査し、厳選しています。各講座は、西宮上ケ原キャンパス、神戸三田キャンパスを活用し、平日の5時限目以降や授業のない期間を中心に開講しています。また、「対面かオンラインを選択できるハイブリッド型」もしくは「オンライン型」で講座を提供し、学び方の多様化を進めています。
6. その他
1)入学試験
本学は「“Mastery for Service”を体現する世界市民の育成」というミッションに基づく教育方針に沿って、入学者選抜の方針を定めて入学試験を実施しています。一般選抜として一般入試、大学入学共通テスト利用入試を実施し、学力選抜により高い学力を有する生徒を迎え入れています。一般選抜のほかに特定の分野において優れた能力を有する生徒などを迎え入れるための総合型選抜を実施しています。
また、学校推薦型選抜では各高校の優秀な生徒を高等学校長の推薦により迎え入れています。
2024年度入試(2023年度実施)は、一般入試において①学部個別日程に傾斜配点型、均等配点型の入試方式を新設、②学部個別(均等配点型)・英数・共通テスト併用各日程で1回の受験で2回の合否判定および併願減額制度を導入するなど、受験生ファーストの入試改革を行い、一般選抜の志願者数は4年連続の増加(昨年度比120.3%の52,624人)となりました。 これは、1975年に次ぐ史上2番目の実績となります。また、本学の魅力や特徴をよりよく知っていただくため、オープンキャンパスや独自説明会などをはじめとした取組みを継続し、特色ある教育システムや各学部での専門性の高い学びなどを入学センターと広報室が連携して入試広報を展開し、情報発信を強化してまいります。
(2)大阪梅田キャンパス
阪急大阪梅田駅から徒歩数分のアプローズタワー(大阪市北区茶屋町19-19)10階・14階に大阪梅田キャンパスがあります。経営戦略研究科をはじめ昼夜開講制大学院の授業が数多く開講されています。
また、各種の研究会活動、学生の就職活動、同窓会活動、生涯学習の拠点としても活用されています。PCコーナーは40席あり、在学生も自習等に活用できます。
(3)東京丸の内キャンパス
東京駅日本橋口直近のサピアタワー(東京都千代田区丸の内1-7-12)10階にオフィスを構え、東京での関西学院の情報発信、学生の就職活動支援、社会人や同窓を対象とした生涯学習講座(「丸の内講座」、「三日月塾」等)や公開セミナー等の開講による学習機会の提供、教員の研究活動の支援、関西学院後援会や同窓との連携等さまざまな活動の拠点となっています。
(4)同窓会・後援会
本学には卒業後も同窓生としての強い絆で結ばれる機会を提供する「関西学院同窓会」があります。
現在、同窓生は約26万人におよび、国内90支部、海外29支部、129の公認団体等で活発に活動を行っています。また、「関西学院後援会」は、学生・生徒・児童の保護者・保証人の方を会員とし、学生・生徒・児童がより充実した活動を行うことができるようさまざまな事業を行っています。
(5)教育懇談会
保証人を対象に実施している教育懇談会は、大学の教育・研究活動の現状や成果の情報を提供するとともに、保証人が大学の教職員と直接会い、学生個々人の学業成績・学生生活・就職・留学・教職等について相談・懇談をすることができます。2024年度の開催予定は以下のとおりです。
①地区別教育懇談会
北陸地区(金沢) | 6月1日(土) |
九州・沖縄地区(博多) | 6月22日(土) |
中国地区(愛媛) | 7月13日(土) |
②学内教育懇談会
神戸三田キャンパス | 9月7日(土) |
西宮上ケ原キャンパス | 10月5日(土) |