AI活用人材育成プログラム
私たちが生活している中には、すでにAIを活用したサービスがいくつもあり、知らない間に身近な存在になってきています。
特に、もはや誰もが持っているスマートフォンには、AIを活用したサービスがたくさん生まれ、AI技術が入っていることに気づかないままAIをフル活用している、なんていうことがあるかもしれません。
もし明日、友人と遊びに行く約束をしているなら、iPhoneであればSiriに「7時に起こして」と話しかければちゃんと7時に目覚ましが鳴り、ランチでは、もしお目当てのお店が思わぬ休業日だったら、「近くの人気のランチを教えて」と話しかければ瞬時に変わりのお店を提案してもらえます。
もちろん、そこまでの道順と所要時間も教えてくれ、一日を完璧にエスコートしてくれるでしょう。
AI技術の活用は近未来のことではなく、すでに私たちの生活の足元に定着し、無意識のまま一緒に生活を送っているのです。
また、AI技術は、これまで様々な障壁により困難とされていたことが容易にできるようになり、人々の生活をより豊かに、便利にしてくれるものと期待されています。
例えば朝の通学電車。AI技術があれば電車の混雑状況を瞬時に判断し、混雑緩和を促す誘導を乗客に提供できます。
また、顔認識等の画像解析やサーモグラフィを活用し、体調不良者の早期発見や犯罪の抑制にも活用することができるでしょう。学校に到着したら、そこまでの消費カロリーが自動計算され、今日のオススメの学食をスマホが提案してくれたり…。
AIが普及することにより、たくさんの職業が失われると言われていますが、AI技術はそれ以上に多くの雇用機会を生み出し、私たちの社会生活に新しい付加価値をもたらしてくれます。 AI技術の担い手は今後一層必要となり、活躍が期待される人材となるでしょう。
「AIを活用する力」を備えた人材になるために。
関西学院大学のAI活用人材育成プログラムは、社会的な課題を発見し、
AIを使って課題解決へ導くことができる人材を育成していきます。
AI活用人材育成プログラム 紹介動画
AIに関わる人材は3つ。
開発者と活用者、提案者。
AIに関わる人材は、大きく3つに分けることができます。最先端のAI技術そのものを研究開発する「AI研究開発者」、AI技術を活用して現場の課題を解決したり新サービス・新製品を作り出したりする「ユーザー」、そのようなユーザーにソリューションを提供する「AIスペシャリスト」です。
ハード(開発者)の育成環境は既にある。
これからはソフト(活用者、提案者)の育成が最重要。
AI活用人材育成プログラムは、AI活用人材、主にユーザーとAIスペシャリストの育成をターゲットとしています。
それは、分野を問わず実に多くの企業がAIソリューションを求めており、
人材需要のボリュームゾーンがユーザーやAIスペシャリストにあるからです。
関学でしか学べない完全オリジナル授業。
社会の課題に挑むことで実践的スキルを養う。
関西学院大学は、最先端のAIの一つとして 知名度の高い“Watson”を擁する
グローバル企業である日本IBMとAI活用人材育成プログラムを全学開講科目群として開講しました。
本プログラムでは、「AI・データサイエンス関連の知識を持ち、さらにそれを活用して、
現実の社会課題・ビジネス課題を解決する能力を有する人材」を「AI活用人材」と定義し、
このような人材を育成し輩出することを目的としています。
つまり、AIに仕事を奪われるのではなく、「AIを使いこなす」人材を育成することを目指しています。
企業課題への取組み事例(AI活用発展演習Ⅰ)
大同生命保険株式会社
「コロナ禍における、営業員への在宅、非対面での営業活動を支援するサービス」
AI活用人材プログラムの特長
初学者を念頭においた
授業内容
予備知識がなくても段階的に学べるような構成なので、理系文系関係なく、初心者もやさしく始められます。
体系的かつ実践的な
スキルの修得
全10科目はすべて新規開発であり、既存の内容の流用はありません。全体を一から開発することで、すべての科目を体系的・有機的に組み上げました。
実践的PBL(Project
Based Learning)
AI・データサイエンススキルを修得した上で、実際の現場での課題に取り組む実践的PBL(Project Based Learning)による発展演習科目に進むよう自己完結型に体系化されています。
ビジネス視点の醸成
日本IBMとの共同プロジェクトで開発したことにより、IBMをはじめAI活用企業の実務の視点をふんだんに取り入れ、ビジネス現場で即戦力となれるような授業内容を設計しています。
専門分野と両立するもの・
補完しあうもの
自身が専攻する各学部での専門分野の学びとAI活用人材プログラムは、お互いの学びの特長を活かし、問題解決のための相乗効果を生み出し、学びの発想力をワンランク上のレベルへ引き立てます。
バーチャルラーニング化
バーチャルラーニングとは、解説動画だけでなく、AIアプリ開発やデータ解析などの実践的なワークや、講義内容の質問に回答するチャットボット、双方向コミュニケーションのためのトークボードなど、さまざまな要素から構成された、完全オンラインでの新たな学びの形態です。2023年4月からは5科目をバーチャルラーニングで開講します。
1.入門
AI活用人材として社会で活躍するための基礎的な知識を修得することを目的としています。そのために、産業構造の変化や今後必要とされるスキルなど社会背景に関する知識、AI技術に関する基礎知識、AIを活用するために必要不可欠なデータサイエンスに関する基礎知識、AIを利用したアプリケーションを開発するための基礎知識を学びます。
2.基礎
AIの各機能(言語、画像、音声、等)の技術・活用事例・利用法を学び、それらを実際のビジネス現場で活用できるようになるための基本的な知識とスキルを修得します。
AIを活用するために必要不可欠なデータ解析に関する基礎知識、技術、活用事例、および問題解決フレームワークを学び、ソフトウェアを用いて実際のビジネス現場で活用できるようになるための基本的な知識とスキルを修得します。
AIを活用したWebアプリケーションの開発に必要な基礎的な技術を修得することを目的とします。そのためにWebアプリケーションの動作の仕組み、顧客要望を受けての簡単なシステム設計及び実装方法、Javaを使った簡単なWebアプリケーションの開発について学びます。
AIの基盤技術である機械学習・深層学習に関する基礎的な知識を修得し、それらの実装のために必要なPythonを用いた基礎的なプログラミングスキルを修得することを目的とします。
AIを活用したWebアプリケーションにおけるユーザーエクスペリエンス(UX)ユーザーインターフェイス(UI)開発に関する知識とスキルを修得することを目的とします。そのために、UX/UIデザイン、デザイン思考、HTML、 CSS、JavaScriptの基礎を学び、UX/UIデザインに優れた動的なブラウザベースのアプリケーションを開発します。
自然言語解析、音声認識や画像/動画解析などのAI機能を利用するためのAPI(Application Programming Interface)を利用したアプリケーション開発や提案作成を行います。
データ解析の方法論、ストーリー構造化手法、プレゼンテーション資料作成手法等を学びます。さらに、与えられたテーマに応じて、資料の作成・プレゼンテーションを通して、ソリューションを提言するプロジェクト型演習を行います。
3.発展
企業・自治体等が抱える様々な課題に対して、チームを構成し、AIを活用したソリューションを提案できる能力を修得することを目的とします。そのために、AIを利用したアプリケーションの開発を行ってソリューションを提言するプロジェクト型演習を行います。
企業・自治体等が抱える様々な課題に対して、チームを構成し、AIおよびデータ解析を活用し、説得力のあるソリューションを提言できる能力を修得することを目的とします。そのために、チームを構成し、課題の分析から、AIを利用したアプリケーションの開発、ソリューションを提言する、総合的なプロジェクト型演習を行います。
受講生の声
三浦友由樹理工学部 物理学科 4年生 ※取材当時(2021年4月より理系4学部を開設)
私の人生に影響を与えてくれたAI活用人材育成プログラム
ビジネス現場で求められるスキルが身に付く
AI活用人材育成プログラムを通し、レベルの高い学生たちに出会い刺激を受け、自分のキャリアにとって良い影響を受けました。TOEICで高得点を獲得できたのもここで高い英語力を持つ学生たちと知り合えたからです。人生が変わったと言っても過言ではないと思います。就職先の決定の際も、本プログラムを通して手に入れた技能を存分に活用しました。「基本情報技術者」と「応用情報技術者」というエンジニア向けの国家資格も取得しました。
また、研究分野の選択の際も、量子コンピュータに使われるジョセフソン接合を研究分野として選んだのは、物理学と情報科学の知識の両方を活かせると考えたからでした。このプログラムが無ければ、これほど真剣に情報技術を学習することはできなかったと思います。
特に印象に残っている講義はプログラムの総まとめとも言える、AI活用発展演習Ⅱという科目です。実践的な内容で、企業様の協力を得て行われます。お題は先生から与えられますが、課題の発見、アイデア出しから製品の試作品作成、それら全てのスケジュール管理までの工程を学生が主体となって行います。まるでコンサル会社のように学生がチームを組んでプレゼンします。
チームを組んだメンバーで、プロジェクトマネージャー、データサイエンティスト、エンジニアなどの役割を分担し、プレゼン準備を進めました。
発表後、企業様からは「実際のコンサル会社と比較しても遜色ないレベルの発表だが、これが現実なら失注していただろう」という評価を頂けました。嬉しい気持ちもありましたが、失注していただろうという言葉通り、足りないところが多いことは私自身痛感していました。大きな達成感とともに今後の課題も明らかになる。常に「社会」と「応用」を見据えたAI活用人材育成プログラムの終わりにふさわしい、本当に良い授業でした。
身につく力
AI活用スキル / アプリケーション開発スキル /
プロジェクトマネジメントスキル / データ分析ビジネススキル / 学部を超えた同志との出会い
Q&A
A:大丈夫です。受講者は工学部が突出して多いということもなく、経済学部や商学部からの受講者もたいへん多いです。一見AIが学部の学びとは直接関係なさそうに思える学部からも大勢の希望者がいますよ。
A:なれます。「AI活用入門」を受講した学生が、高校生向けにワークショップを企画・開発・運営しました。学んだことを他人に教えるというプロセスを経験すれば、あなた自身のAI活用に関する知識とスキルの理解が深まります!
A:できます。今年度から全10科目のうち、AI活用入門・AI活用アプリケーションデザイン入門・AI活用データサイエンス入門・AI活用機械学習プログラミング演習・AI活用Webアプリケーションプログラミング演習・AI活用UX/UIデザインプログラミング演習の6科目を完全バーチャルラーニング科目として開講しています。
A:できます。AIによるTA(Teaching Assistant)チャットボットを導入し、スマホからいつでもどこでも質問できるようになります。このチャットボット開発にも学生がかかわっています。
A:文系学部の学生と理系学部の学生たちがチームを作って企業とともに福祉関連サービスへのAI 活用を検討するプロジェクトなどが生まれていますよ。やる気次第です!
関西学院大学の「AI活用人材育成プログラム」は文部科学省「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度
(リテラシーレベル)」に認定されています(認定有効期限:令和8年3月31日まで)。
企業・自治体・学校法人関係者の方はこちらをご覧ください。
AI活用人材育成プログラム 企業・自治体・学校法人向けサイト