スクールモットー“Mastery for Service”
関西学院のスクールモットー“Mastery for Service”は、「奉仕のための練達」と訳され、隣人・社会・世界に仕えるため、自らを鍛えるという関学人のあり方を示しています。
スクールモットー 解説
「・・・しかし私達が主たらんと欲する真の意味は、自分の一個の富を求めるためではなくて、それによって世に仕えるためなのである。私達は広い意味における人類の僕たらんことを期しているのである。・・・知識を求めるのは、単に知識のために求めるのではなく、まして名誉のためではなくて、人類に対してよりよき務をなすことができるものとして、自らに備えんがため、これをなすような者でなければならない。・・・」
(原文はC.J.L.ベーツ『商光』1915 年、日本語訳は『関西学院七十年史』1959 年)
関西学院のスクールモットーである“Mastery for Service”は、第4代院長(初代高等学部長そして初代大学学長)である、ベーツの提唱によるものです。それが最初に紹介された1912年以後、校歌『空の翼』に歌われ、時計台のエンブレムに刻まれ、戦争や学生紛争の時代を越えて、関西学院の姿勢を端的に言い表すものとして今も繰り返し語られています。
マスターとは普通主人を意味しますが、関西学院では人間性、学び、生活においても完成された人格、ベーツの言葉でいう「Self-Master=自主」である人を意味します。サービスは、それをもとに関西学院のキリスト教主義的な理解では「神への奉仕」を原点として隣人、社会、他者に仕えて生きる人間のあり方を示すものです。
自らに与えられた人間的な豊かさ、それを自らが何ものにもとらわれないで、よりよき社会を創造するためにささげ用いてゆく生き方、それが「輝く自由、Mastery for Service」と関学人が歌い上げる私たちが求め続ける姿なのです。
第4代院長 C.J.Lベーツ
カナダ・メソヂスト教会宣教師。第4代院長。1877年、カナダ・オンタリオ州生まれ。マギル大学で学んだ後、1901年にクイーンズ大学を卒業(のちトロント大学、イェール大学等に学び、1918年、モントリオールのウエスレアン神学校から神学博士号を受ける)し、1902年に東洋伝道への献身を決意して来日しました。
カナダ・メソヂスト教会が関西学院の共同経営に参与した1910年、関西学院に赴任し、2年後に新設の高等学部長となり、1920年に関西学院第4代院長に就任しました。
高等学部長の時に提唱した"Mastery for Service"が、院長就任とともに、学院全体のスクール・モットーとなりました。院長として20年間にわたり関西学院発展のために尽力し、学院の悲願であった大学昇格に際しては、渡米して連合教育委員会およびアメリカ・カナダ両国伝道局の承諾を得、1932年に大学開設を果たすなど学院の礎を築きました。1934年には初代学長を兼務。太平洋戦争直前の1940年に院長・学長を辞任し、“Keep this holy fire burning(この聖なる火を絶やさぬように)”という言葉を遺して帰国しました。