人間福祉研究科Graduate School of Human Welfare Studies
「福祉」にもっとイノベイティブな視点を
広く、深く、人と社会を探究する
少子高齢化やグローバル化が進む日本社会では、児童・高齢者虐待、家庭内暴力、犯罪被害者、外国人コミュニティなどの社会問題、医療や介護、障害児・障害者を取り巻く政策課題や地域社会の問題、生命倫理や健康問題など、多様な課題に直面しています。人間福祉研究科は、これらの人間と社会(環境)の関係の中で生じたさまざまな問題に対応するために幅広い教育と研究を進めています。社会福祉学を中心に据えつつ、社会学、経済学、体育学などの幅広い学問領域を網羅。社会福祉の方法論だけでなく、理論や歴史、思想、哲学、価値などの原理論、社会福祉政策、行財政(国、地方)、福祉国家論、国際福祉の分野における研究教育を行い、より高度な専門性を持つ実践者や研究者の育成をめざしています。
博士課程前期課程では、福祉社会の維持・発展に貢献する人材の育成を前提としたカリキュラムを整備しています。専門選択科目(上述の「人間福祉研究科での学び」参照)以外にも、フィールドワーク科目のほか、必修科目として「研究演習」や「人間福祉文献研究(英語)」などを開講することで、狭い専門領域にとらわれることなく幅広い学びが可能になっています。これらの学びによって高度な知識と専門的技法を身につけるとともに、その成果を修士論文としてまとめることができるように、教員が丁寧に研究指導を行います。
博士課程後期課程では、論文指導体制の充実を図るとともに、リサーチ能力の涵養を目指し、カリキュラム改革を行いました。2024年度以降は、この新たなカリキュラムのもと、指導教員と副指導教員2名が『指導チーム』を形成し、博士論文提出まで指導にあたります。
具体的には、必修科目として指導教員クラスと副指導教員クラスの「研究演習」、「人間福祉文献研究講読(英語)」を開講します。「研究演習」では、修了要件の一つである「博士学位キャンディデート」の承認に必要な学術論文の学術誌への投稿や学会発表の指導のほか、博士学位申請論文の執筆指導を、『指導チーム』として教員間でも密に連携をとりながら段階的に行います。また、「人間福祉文献研究講読(英語)」では、海外の学術文献を活用して国内外の人間福祉の諸領域に関する知見を深め問題分析能力の修得をめざします。
さらに、選択必修科目として「量的調査法A」、「量的調査法B」及び「質的調査法」を開講し、博士論文執筆に向けた研究に求められるリサーチ能力の涵養をめざします。