[ 人間福祉研究科 ]理念・目的・教育目標

理念・目的・教育目標

 関西学院の建学の精神であるキリスト教主義教育とスクールモットーである「Mastery for Service(奉仕のための練達)」を基本にして、急速なグローバル化と少子高齢社会等の下で変化する価値観の中で、多様化する社会的、心理的、あるいは政治的、経済的問題に対する精緻な分析能力を保持し、社会福祉学を基本にした学際的なアプローチで、研究倫理に基づいた実証研究能力や問題解決に向けた実践能力を涵養する。これにより、従来の社会福祉学分野にとどまらず、隣接した領域においても指導的役割を担える人材養成や研究者の育成を果たす。

前期課程

  1. 建学の精神であるキリスト教主義教育の価値観、ならびにスクールモットー「Mastery for Service」の理念を理解し、実践に反映できる能力の育成
  2. 人間福祉の基礎となる価値・思想・理論・歴史、ならびに学問的方法論の修得
  3. 研究を遂行するにあたって求められる高い研究倫理の涵養
  4. 児童、高齢者、障がい者等の社会福祉学分野の研究
  5. ソーシャルワークの諸理論の理解と実践方法の分析や開発能力の育成
  6. 社会福祉政策、社会福祉行財政、国際福祉等に関する分析と問題解決能力の育成
  7. 人間の生と死にかかわる本質的な課題や健康・スポーツ、身体論についての理解と実践能力の育成
  8. 人間福祉の諸領域におけるリサーチ方法、分析能力、立案能力の育成
  9. 専門職に対するスーパービジョン能力の育成

後期課程

  1. 建学の精神であるキリスト教主義教育の価値観、ならびにスクールモットー「Mastery for Service」の理念を理解し、実践に反映できる能力の育成
  2. 研究を遂行するにあたって求められる高い研究倫理の涵養
  3. 社会福祉の価値を理解し、将来人間福祉に関連した研究ならびに教育活動を通じて学問の発展と現代社会に生きる人々の幸福(Well-being) に寄与する指導的立場を担える人材の育成
  4. 人間福祉関連諸科学の方法論の修得
  5. 人間福祉に関連する種々の国内及び海外における論文、著書、資料を通して科学的な見地から問題を分析し概念化できる能力の育成
  6. 高い量的・質的リサーチ技法を諸々の分野で活用できる人材の育成
  7. 高度な専門性を備えた研究者の育成

教育研究目標

  1. 「人間福祉」研究に関わる諸分野で修得した理論・思想・歴史等の知識や価値、並びに学問的手法及び実践的手法を用いて、高い研究倫理に基づいて行った研究内容・成果を広く社会に発信し、その専門性を通じて社会に貢献し得る人材を育成する。
    【前期課程】「人間福祉」という学際的領域において、学修した専門的知識と研究内容・成果を社会に還元することで人類の福祉の向上に貢献し得る人材を輩出するとともに、将来博士課程後期課程に進学し、「人間福祉」の学問領域の深化とそれに関わる教育・研究者として社会で活躍する人材を養成する。「人間福祉」という学問領域を浸透・発展させることを通じて、日本社会・国際社会における広い意味での「人間の福祉」の向上に寄与する。
  2. 「人間福祉」という従来の学問区分を超えた新しい学問領域を深化させ、この領域で日本・世界を牽引する力及び高い研究倫理を有する教育・研究者を輩出する。
    【後期課程】「人間福祉」は対象となる事象を広く人間と環境とすることから、学際的であり多様な展開が可能な分野ではあるが、学問領域としては発展段階であり、社会での認知度も十分であるとは言いがたい。本研究科で、先行研究を十分に踏まえつつも独創的かつ高度な研究成果をあげる優れた研究者の輩出を生み出すことにより、「人間福祉」を定義し、学問分野として成長・発展させる。これにより、社会に「人間福祉」の概念の成熟を促すとともに、社会全体の福祉の向上に寄与する。

人材育成の目的

前期課程

 人間福祉の諸分野を学び、高い学識と研究倫理を涵養し、高度な専門的な知識に基づくリサーチ能力、分析能力、政策立案能力及び問題解決に向けた実践能力を身につけ、社会の様々な場においてその専門性を発揮し、社会に貢献できる人材の育成を目的とする。同時に、後期課程に進学していくための研究指導と教育も行う。

後期課程

 人間福祉の領域における高度な研究能力を身につけ、研究倫理を涵養し、独創的な研究により博士学位を取得できる人材の育成を目的とする。

めざす学生像

 多様化する社会的、心理的、政治的、経済的問題に対して、社会福祉学を基本にした学際的な視点よりリサーチ及び精緻な分析を行い、研究倫理に基づいた実証研究能力や問題解決に向けた実践能力を持つ学生の育成を目指す。
 前期課程では、専門領域の高度な知識のみならず、人間福祉の諸領域におけるリサーチ方法・分析能力・政策立案能力及び専門的な技法の修得によって、福祉の現場や行政、教育分野等従来の社会福祉学分野に留まらず多様な分野で活動できる人材の育成を目指す。
 後期課程では、高い水準のリサーチから得た独自のデータを活用し、専門領域に新たな独創的な知見を生み出すことによって社会に貢献できる高い研究能力とともに、教育・研究者としての指導能力をも有する人材の育成を目指す。