2019.11.01.
◆秋季人権問題講演会◆「『未開の知』に触れる-2020東京オリパラを迎える前に」「原発事故後を共に生きる」

 関西学院大学は11月、秋季人権問題講演会を下記の通り、二つのテーマで開催します。
いずれも一般の方も聴講できます。手話通訳・パソコンテイクによる情報保障を予定しています。入場無料です。
 ご多用とは思いますが、案内記事の掲載、ならびに取材のご参考にしていただければ幸いです。

                     記

■「『未開の知』に触れる-2020東京オリパラを迎える前に」
◇日 時  11月14日(木) 13時半~15時 西宮上ケ原キャンパス 図書館ホール
◇講 師  広瀬 浩二郎氏(国立民族学博物館 グローバル現象研究部准教授)
 【内容】東京オリンピック・パラリンピックの開催が来年に迫り、各方面で障害者に対する関心が高まっています。「インクルーシブ」「ユニバーサル」などの語もよく耳にするようになりました。オリパラのお祭り騒ぎを単なる一過性のブームで終わらせないためにも、「障害」を異文化として積極的にとらえる視座が大切なのではないでしょうか。
 20世紀、人類はアビリティ(能力=できること)をひたすら拡張してきました。その流れの中にオリンピックがあるともいえます。アビリティを追い求める発想から必然的に零れ落ちてしまうのがディスアビリティ、すなわち「障害」です。既存の社会システムに「障害」を取り入れることにより、人間が依拠するアビリティの定義は再考を迫られるでしょう。
 本講演では「未開の知」をキーワードとして、全盲の私自身の体験談を紹介しつつ、「障害」の意味を多角的に考えます。
 

■「原発事故後を共に生きる」
◇日 時  11月27日(水) 15時10分~16時40分
                西宮聖和キャンパス メアリー・イザベラ・ランバスチャペル
      11月28日(木) 11時10分~12時40分 神戸三田キャンパス Ⅱ号館102号教室
               15時10分~16時40分 西宮上ケ原キャンパス 中央講堂
◇講 師  石塚 裕子氏(大阪大学大学院人間科学研究科附属未来共創センター 特任講師)
 【内容】東日本大震災から8年が経過し、地震・津波の被災地では復興の兆しが見え始めました。しかし、福島第一原発事故の被災地では、全避難者の84%を占める約4.3万人が避難生活を今も強いられています。また福島県では、避難指示解除地域における平均居住率は23.2%と低く、農作物等の風評被害や心ない差別にも苦しめられています。
 原発事故からの復興には、とても長い時間を要します。私たちは日頃、原発事故や被災者の方々にどれくらい想いを馳せているでしょうか。原発事故後の現在、未来を共に生きる私たちは、何ができるのでしょうか。
 本講演では、私が取り組んできた広域避難者の交流会「神戸みちのく会」の活動を紹介し、その参加者である原発事故被災者の「今」を聴き、原発事故後の社会を共に生きるとはどういうことかを考える機会としたいと思います。

◆ともに入場無料