2018.05.10.
聞き方で大きく異なるマスメディアへの信頼

「とても」「かなり」は、「非常に」「やや」より反応低く聞き方で大きく異なるマスメディアへの信頼

~アンケートの質問・選択肢の違いによる効果を分析

 関西学院大学社会心理学研究センターの稲増一憲・社会学部教授と三浦麻子・文学部教授は、マスメディアへの信頼を測定する際、質問文と選択肢の違いによる影響について、アンケートを用いて実証的に研究しました。まず2010年代に行われた全国レベルの社会調査の結果を整理し、①「非常に信頼する」「やや信頼する」といった選択肢に付される副詞の影響、②新聞と雑誌をまとめて尋ねるか新聞単独で尋ねるか、③対象を「テレビ局」「新聞社」「出版社」と組織であることを明示するか、組織ではなく「テレビ」「新聞」「雑誌」と媒体名で尋ねるか――の3点によって、人々の信頼の評定が大きく異なることを明らかにしました。そして、これらの違いが本当に質問文や選択肢の違いによって生じているかどうかを検証するため、調査対象者に異なる質問文・選択肢をランダムに割り当てたWeb上での実験を行いました。その結果、質問文や選択肢を変えることで、信頼の評定が変化することが確認できました。
本研究成果は、日本社会心理学会の機関誌『社会心理学研究』第34巻1号(2018年7月刊行予定)への掲載が決定しています。

マスメディア信頼測定研究[ 468.88KB ]PDFリンク

参考資料)信頼度調査結果表[ 46.39KB ]PDFリンク