2016.04.26.
関西学院大・NPO STAND 協定締結記念シンポジウム「障がい者スポーツを通して私たちの社会を考える」開催

シドニーパラリンピック車椅子バスケットボール日本代表主将の根木慎志さん

シドニーパラリンピック車椅子バスケットボール日本代表主将の根木慎志さん

 関西学院大学は4月23日、西宮上ケ原キャンパス中央講堂で「関西学院大学×NPO STAND 協定締結記念シンポジウム」を開催しました。テーマは「障がい者スポーツを通して私たちの社会を考える〜2020東京パラリンピックを契機に〜」で、会場に集まった学生らは、パラリンピック開催を前に障がい者スポーツへの理解を深めました。
 基調講演は、シドニーパラリンピック車椅子バスケットボール日本代表主将の根木慎志さんが登壇。18歳の時に交通事故にあった根木さんは、車いすバスケをするようになったきっかけや車いす生活になってからの葛藤などに触れ、「車いすバスケというスポーツに出会ったことにより、もう一度自分自身が輝ける可能性を感じることができました。障がい者スポーツには選手たちの輝いている瞬間がつまっています」と話しました。

車いすテニス 女子シングルス世界ランク2位の上地結衣さん

車いすテニス 女子シングルス世界ランク2位の上地結衣さん

 パネルディスカッションは、「NEWS ZERO」でメーンキャスターを務める村尾信尚・関西学院大学教授のコーディネートのもと、根木さん、車いすテニス 女子シングルス世界ランク2位の上地結衣さん、NPO STAND代表理事の伊藤数子さん、村田治関西学院大学長が、障がい者スポーツを通して社会のあり方について話しました。
 根木さんは現在、小学校などでの講演活動を精力的に行っており、「子ども達にとって車いすバスケットボールをしている私は障がい者ではなく、ヒーローです。しかし、一歩、体育館の外を出てみんなの教室に行こうとしても、階段があるから行くことができません。子ども達はそこでどうしたらいいか考え出します」とエピソードを紹介。すかさず村尾教授は、「障害があるのは、障がい者なのでしょうか、それとも私たちの社会なのでしょうか」と会場に問いかけました。
 生まれつき足が不自由で車いすテニスで活躍している上地さんは「4月からは、障害者差別解消法も施行されました。社会が変わり、人々の心がかわるきっかけになってほしい」と話し、さらに、「パラリンピックは大勢の方の協力が必要。皆さんと一緒に盛り上げていきたい」と語りました。 伊藤さんは「とにかく障がい者スポーツを実際に見て、感じてほしい」と会場に呼び掛け、「これからも障害のある人と若い人たちが触れ合う体験の場を作っていきたい」と話しました。村田学長は、「歴史的にも障がい者支援を行ってきた関西学院大学だからこそ、できることがあると考えています。多様性の実現に向けて、変革できる人材を育成していきたい」と決意を表明しました。

パネルディスカッションの様子

パネルディスカッションの様子

 本シンポジウムは、パラスポーツの支援を通して、多様性を認めあう社会の実現に取り組みを進めることを目指して関西学院大学とNPO法人STANDが2015年12月に締結した連携協定を記念した初めてのシンポジウムです。今後も関西学院大学とNPO法人STANDはパラスポーツ普及を目的としたセミナーと連携講座の開講、パラスポーツにおけるリエゾンやボランティアの育成を行い、共同事業を通じて社会に貢献することを目指していく予定です。

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