2025.07.23.
-高校生と考えるスマホとの距離感- スマホ利用制限アプリに関する共同研究成果報告会を開催
関西学院大学(兵庫県西宮市、学長:森康俊)の鈴木謙介・社会学部教授は、スマホ制限アプリ「Blockin」を提供している株式会社Blockinとの産学連携により、現代の高校生がスマホとどのように向き合っているかを明らかにし、高校生が自主的にスマホの利用をコントロールする実態を探るため、共同研究を行ってきました。このたびの取り組みにより得られた知見について、8月6日(水)に東京都渋谷区の渋谷キューズにおいて研究成果報告および高校生ユーザーとの対話の会を開催します。
鈴木教授はこれまで若者とメディアに関する研究を多数発表しており、また、マーケティング分野を中心に産学連携の取り組みを進めてきました。このたびの取り組みでも鈴木教授、ゼミの学生および大学院生がアンケートの調査設計、分析、利用トライアル調査とワークショップの開催について、株式会社Blockinと様々な場面で協働し企画を行ってきました。今回はその成果の報告を行います。
なお、利用トライアル調査、ワークショップには関西学院高等部に在籍する高校生も参加しており、高大連携企画としての教育実績の発表ともなります。
研究成果発表会の概要
日時:2025年8月6日(水) 13時00分~(開場:12時00分)
場所:SHIBUYA QWS(渋谷キューズ) クロスパーク
(東京都渋谷区渋谷二丁目24番12号 渋谷スクランブルスクエア(東棟)15階)
※渋谷スクランブルスクエアの【地下2階または2階のオフィスエントランス】より、エレベーターで15階受付にお越しください。
内容:①共同研究の分析結果報告
発表者:鈴木謙介・関西学院大学社会学部教授
②スマホ制限アプリ「Blockin」高校生ユーザーとの対話
参加者:関西学院高等部に在籍する高校生3名、東京在住の高校生1名
モデレーター:鈴木謙介教授
③「高校生と考えるスマホとの距離感」ワークショップ
一般参加者を交えて、スマホ依存に関する高校生のリアルな課題を明らかに
共同研究の概要
【共同研究の背景】
近年、若者へのスマートフォンの普及とともに「スマホ依存」が問題となっています。日本の従来の研究においてスマホ依存は、友人関係からの孤立を恐れる傾向やSNSでの称賛獲得など、主としてコミュニケーションに起因するものだとされていました。しかしながらコロナ禍以後、ゲームや動画サイトなど多様なコンテンツがスマホで提供されるようになり、また、スマホの利用時間を自分で確認できる機能が実装されたことで、利用者が「使いすぎ」を自覚してコントロールすることもできるようになりました。
このような状況の変化を踏まえ鈴木教授は、「若者が自主的にスマホの利用を制限しようとする行動の背景にあるもの」を明らかにするために、定量的・定性的な調査を行いました。また、調査に協力した高校生を対象にワークショップを行い、高校生自身の言葉で「スマホの利用をコントロールすること」について語ってもらいました。
【アンケート調査】
期間 :2025年6月
対象者:「Blockin」利用者
内容 :ふだんのスマートフォン利用およびBlockinの利用に関する感想などを調査。その結果、従来の研究では触れられていなかった「日常的な行動としてのスマホ依存」の存在を明らかにしました。
【利用トライアル調査】
期間 :2025年4~5月
対象者:関西学院高等部に在籍する高校生10人
内容 :対象者に各自が所有するスマホにスマホ制限アプリ「Blockin」をインストールし、実際のアプリ使用を通じてスマホの利用を制限してもらいました。そして、スマホの利用制限についてどのような感想を持ったか、どのような効果があると感じたかを記録してもらいました。
【ワークショップ】
日時 :2025年6月5日(木)
参加者:鈴木謙介ゼミに所属する大学生23名
関西学院高等部に在籍する高校生7名
内容 :上記調査の記録や自身の体験をもとに、参加者同士でスマホ利用制限についての意見交換や分析を行いました。活発な議論を重ねて参加者自らがテーマ設定し、最終的には「アプリの使用感」に関するキャッチコピーを開発しました。

関西学院大学社会学部・鈴木謙介ゼミについて
消費社会論を研究テーマとするゼミであり、マーケティングリサーチ企業の顧問も務める鈴木教授の指導のもと、毎年、新しい消費コンセプトを提案することを目標として活動しています。2025年度の提案テーマ「冒険消費」については、以下のURLに掲載されています。
2025年度研究成果報告 「冒険消費」の提案関連ページへのリンク
スマホ制限アプリ「Blockin」について
Blockinは、「スマホとの付き合い方を自分で設計できるようにする」ことを目指したアプリです。"なんとなくスマホを使ってしまう"時間を減らし、ユーザーの自律的な時間設計をサポートします。主に中高生・大学生ユーザーに活用されており、学習時間の確保や生活習慣の見直しに役立てられています。
2023年5月のリリース以来、2025年7月時点で80万ダウンロードを突破しています。
ご取材いただける場合、以下のURLより8月5日(火)15時00分までにお申し込みいただきますようお願いいたします。
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