2025.02.27.
円安・インフレなどに対応する留学支援 2025年度に留学する全学部生・大学院生を対象に総額約1.7億円の支援金支給を決定

関西学院大学(兵庫県西宮市、学長:森康俊)は円安やインフレ、留学プログラム費の高騰などが継続している状況を受け、2022年度から行っている海外派遣プログラムに参加する全学生を対象とした緊急留学支援金を、2025年度も実施・支給することを決定しました。支援金は申請のあった全学部生・大学院生を対象とし、総額は約1.7億円で、約2,000名の学生が該当する見込みです。学生の国境を超えた学びを大切にしている本学は、従来から海外派遣プログラムに参加する学生に対し返還不要の奨学金を支給してきました。このたびの支援金は既存の奨学金に加えて支給するものであり、学生の留学の機会を後押しします。なお、同制度は2022年度から設けており、2024年度は1,548名(2025年2月現在)の学生に総額約1.4億円を支給しました。2025年度は大学院生も支給対象に含めるほか、より留学先の経済状況に沿った支援金額の内訳にしました。

2025年度の奨学金・支援金一覧

主な留学プログラム 奨学金額 緊急留学支援金額 合計支援額
ダブルディグリー留学(1.5~2.5 年) 月額10万円 15万円 135万円
交換留学(1年) 30万円 15万円 45万円
交換留学(1学期) 15万円 7.5万円 22.5万円
長期留学(学部科目履修型)(1年) 50万円 25万円 75万円
長期留学(学部科目履修型)(1学期) 25万円 12.5万円 37.5万円
中期留学(1学期) 20万円 10万円 30万円
国際社会貢献活動(1学期) 30万円 10万円 40万円

短期留学
(10日~1か月)

アジア:3万円
アジア以外:5万円
4万円
10万円
アジア:7万円
アジア以外:15万円
オンラインプログラム 2万円

2024年度からの変更点

2024年度からの大きな変更点は、主に以下の2つです。
ひとつは、大学院生も支給対象になったことです。これまでは学部生のみが支給対象でしたが、派遣プログラムには大学院生も少なからず参加することから、2025年度からは大学院生も支給対象に含めました。
もうひとつは、「短期留学」への緊急留学支援金額を滞在先の物価やレートに即したものに変更したことです。これまで短期留学への支援金は地域によらず一律8万円支給としていました。しかし、アジアとアジア以外とでは物価や為替レートに差があることから、地域の特性に応じた支援金額の見直しを実施。アジアにおける短期留学への支援金を4万円、アジア以外における短期留学への支援金を10万円に変更しました。また、「国際社会貢献活動」に参加する学生には15万円を支給していましたが、このプログラムの主な滞在先はアジアの開発途上国であることから、物価やレートを考慮して10万円に変更しました。なお、「緊急留学支援金」全体としては、規模に変更はありません。

2022年度からの支給実績推移

2022年度からの支給実績推移

2022年度:1370名、約1.2億円
2023年度:2066名、約1.8億円
2024年度:1548名、約1.4億円
2025年度:2000名、約1.7億円
※2024年度は2025年2月時点の人数
 2025年度は見込

背景

本学は1889年の創立以来、伝統的に国際化に取り組んでいます。2014年度には文部科学省のスーパーグローバル大学創成支援事業に採択され、2018年度には協定校への派遣学生数で日本一(独立行政法人日本学生支援機構「協定校等に基づく日本人学生留学状況調査」)を達成しました。しかし、コロナ禍により2020年3月以降、ほとんどの留学プログラムが中止を余儀なくされ、その当時に入学した学生は留学機会を逸する状況が続いていました。2022年度より留学プログラムの再開が本格化しましたが、円安やインフレ、燃油サーチャージの高騰による航空運賃の値上がりなどでプログラム費が上昇。学生は経済面から留学を躊躇せざるを得ない状況が続いていました。そのため、急遽、緊急留学支援金の支給を決定し、2022年度には再び協定校への派遣学生数で日本一(独立行政法人日本学生支援機構「協定校等に基づく日本人学生留学状況調査」)となりました。2024年度からは、海外留学や国際ボランティア、キャンパス内外で留学生と共修する科目等から構成する「グローバルチャレンジ制度」を全学生に強く推奨しています。一方で、インフレや留学プログラムの費用の高騰は依然として続いており、学生が在学中に留学の機会を失わず、希望通り海外へ挑戦できるよう後押しをしたいという思いから、2025年度も引き続き支援金の支給を決定しました。

本学が提供する海外派遣プログラム

以下の「関西学院大学 国際教育・協力センターHP『プログラムから探す』」よりご覧ください。
国際教育・協力センター「留学プログラムを探す」関連ページへのリンク

森康俊学長のメッセージ

2025年度からは、滞在先の経済状況や物価に沿った支給を実現し、新たに大学院生も支給対象に含めることで、今まで以上に学生目線に立った留学支援体制を構築することができました。スクールモットー“Mastery for Service”を体現する、創造的かつ有能な世界市民を育むことを使命とする本学として、引き続き学生の挑戦を後押ししてまいります。

関西学院大学について

1889年に宣教師ウォルター・ラッセル・ランバス氏により設立された学校で、1932年に大学令により「関西学院大学」に、1948年には新制大学となる。現在、キャンパスは兵庫県西宮市と三田市、大阪・梅田、東京・丸の内に所在。総合大学として14学部(神、文、社会、法、経済、商、人間福祉、国際、教育、総合政策、理、工、生命環境、建築)と14研究科を擁する。スクールモットーである“Mastery for Service(奉仕のための練達)”を体現する世界市民の育成をミッションとしており、多くのグローバル人材を輩出している。豊富な留学プログラムと支援・サポート体制は本学の大きな特長の一つ。