2024.06.07.
「VORIES TIME」開催記念対談講演会「ヴォーリズさんと建築の物語~光と風と バンザイなこっちゃ!~」を開催

5月31日(金)に西宮上ケ原キャンパスで、ヴォーリズ記念館館長・藪秀実氏と写真家・桃井一至氏による対談講演会「ヴォーリズさんと建築の物語~光と風と バンザイなこっちゃ!~」を開催しました。

関西学院大学博物館では開館10周年を記念し、7月13日(土)まで、平常展 ヴォーリズ建築写真展「VORIES TIME」を開催しています。写真展では、桃井氏が撮影した全国各地のヴォーリズ建築の写真を展示し、今日まで引き継がれ愛されてきた各地のヴォーリズ建築を紹介しています。

講演会の冒頭、藪氏は「ヴォーリズさんは嬉しいこと、上手くいったことがあると『バンザイなこっちゃ』とよく口にしていた」とヴォーリズのユニークな一面を紹介。また、ヴォーリズを「良い施主さん、良い利用者に囲まれてきたラッキーな人」と表現しました。
ヴォーリズは建物を設計する際、まず台所、次に寝室、そして子ども部屋(リビングルーム)の順で着想していたことも紹介。「家(House)をつくる目的は家庭(Home)を作ること」であり、住む人の健康が第一であるという考えのもと、「光と風」が流れ込む空間設計になっているというヴォーリズ建築の特徴を話しました。
さらに藪氏はヴォーリズが英語教師、宣教師として来日したエピソードを披露しました。1902年、当時22歳で建築家を夢見ていたヴォーリズは、カナダ・トロントのマッセイ・ホールで開催された「海外伝道学生奉仕団」世界大会に出席。宣教師夫人のテイラー女史の講演に感動し、建築家の夢をあきらめ外国伝道への献身を決意しました。そしてその大会には、若きJ.C.L.ベーツ(関西学院第4代院長)の姿も。「若き日の志の共有による同志がその後、日本で出会い、関西学院を形づくった」と本学の歴史をひも解きました。

最後、藪氏が「今日は『バンザイなこっちゃ!』な一日でした」と締めくくると、会場には盛大な拍手が沸き起こりました。