2023.08.25.
災害復興制度研究所フォーラム「関東大震災から100年 人間復興の現在地は ~災害多発時代、福田徳三の理念は生かされているのか?」のご案内

関西学院大学災害復興制度研究所は、阪神・淡路大震災から10年の節目である2005年に誕生し、被災地の大学としての社会的責任から、「人間復興」の理念のもと、被災者の生活の再建・再生を中心的なテーマとし研究を行ってきました。このたび、「人間復興」の真髄について語り合うフォーラム「関東大震災から100年 人間復興の現在地は ~災害多発時代、福田徳三の理念は生かされているのか?」を8月31日(木)に開催しますのでご案内いたします。

■ 日時:2023年8月31日(木)午前10時開始
■ 内容:
 〇開会挨拶 山泰幸(関西学院大学災害復興制度研究所所長)
 〇趣旨説明 山中茂樹(関西学院大学災害復興制度研究所顧問)
 〇基調講演「福田徳三と人間復興の経済思想」
  西沢保(一橋大学名誉教授)
 〇対論「人間復興の現在地」
  井上琢智(関西学院大学元学長)
  山中茂樹(関西学院大学災害復興制度研究所顧問)

■ 趣旨:
「人間の復興」とは、関東大震災の折、生存権擁護を第1に掲げた福祉国家論の先駆者、福田徳三の唱えた思想だが、「大地の震動」による帝都の崩壊だけで社会が変革されるわけでもなく、朝鮮人、社会主義者、労働組合の活動家らの虐殺、続く治安維持法の制定という国家主義の巻き返しによって、福田らの理念・思想を支えた大正デモクラシーは突如、終焉を告げ、「震災で素っ裸になった被災者らによって新東京を建設する」という「人間復興の野心」も潰えた。
「最後の一人まで見捨てない」とは、被災地KOBEのNGOたちが唱えたスローガンだ。福田の唱えた「人間復興」の理念を現代的にアレンジし、被災地KOBEに代表される被災者たちの想いを実現可能な制度・システムとして構築していくことを目的に当研究所は阪神・淡路大震災から10年の2005年に創設された。
わずか10年余りのパラレルワールドとして歴史から消え去った「大正デモクラシー」の轍を踏まないよう、私たちは、まず民主社会の基礎を固め、福田の理念を継承していくことを今一度、確認しようではないか。