2022.02.09.
外国にルーツのある学生の就職活動における課題を調査~公開研究会(2月26日)で報告します

就活中~3分の2が「何らかの不安」/就活経験者~4割が何らかの差別・偏見を感じた

 関西学院大学人権教育研究室は2021年6~9月、本学および他大学の在日コリアン、外国籍(留学生を含む)、難民など外国にルーツのある卒業生たちの就職活動の実態と、在学生の就活に対する不安の実態を明らかにしようと、WEBと聞き取りによる調査を実施しました。

 その結果、就活中の学生は3分の2が何らかの不安を感じ、卒業生は4割が就活中に何らかの差別・偏見を感じていたことがわかりました。
 調査結果を報告する公開研究会を2月26日(土)にオンラインで開催します。

【大学における在日外国人学生の就職等における人権保障と大学の課題についての研究】
◆調査1「これから就活をする学生の不安の実態」(有効回答数 52)
属性(大学、学年、出身高校、国籍など)、就活に関する不安の有無およびその内容、相談できる人の有無、就活の対策、大学への要望
◆調査2「就活経験者の就活体験の実態」    (有効回答数105)
属性(出身大学、出身高校、国籍、就活した年度など)、就活における偏見・差別の有無およびその内容、相談した人、就活でとった対策、大学への要望

■結果のまとめ
<調査1>
・3分の2(66.7%)の学生が就活に対して何らかの不安を感じている
・不安を感じている割合は、「外国の高校出身>日本の外国人学校出身>日本の高校出身」
・不安を感じるのは、75.8%が国籍で、ルーツ(42.2%)、名前(27.3%)、出身高校(21.2%)の順
・不安の解消に、「在日外国人系企業を対象に就活」(32.3%)、「日本名を使う」(12.9%)、「国籍を変える」(12.9%)という選択肢を考える学生も存在した
<調査2>
・4割が、就活の中で何らかの差別・偏見を感じた
・差別・偏見を感じた割合は現役生と同じく、「外国の高校出身>日本の外国人学校出身>日本の高校出身」
・差別・偏見を感じたのは「国籍」(70.7%)、次いで「名前」(34.1%)
・「外国人採用枠のある企業を対象に就活」(33.3%)、「在日外国人系企業を対象に就活」(14.3%)、「その他(就職先の変更)」(4.8%) 、「日本名を使う」(4.8%)も一定数存在した

【公開研究会「外国にルーツのある学生の就職活動における人権課題 現状と大学の課題」】
 日 時:2022年2月26日(土)10:00~12:00
    オンライン開催