2021.07.21.
災害初期対応の安全向上と効率化に貢献する 技術「AIngle」の評価実験を実施します

7月26日(月) 兵庫県広域防災センター(兵庫県三木市)

<日本―EU合同災害初期対応プロジェクト>

 関西学院大学の特定プロジェクト研究センターの一つ、Intelligent Blockchain+ Innovation Research Center(センター長:ティヘリノ ジュリ アドリアン総合政策学部教授)は7月26日(月)、スマートベストを着用した救助犬やAR(拡張現実)グラス、ドローンなどを利用し、新しい分散型台帳技術「AIngle(エンジェル)」が可能にする技術評価実験を、災害初期対応の実務者とともに兵庫県広域防災センター(兵庫県三木市)で実施します。「AIngle」は本センターが開発した技術で、災害初期対応の安全向上と効率化を目指して活用されることを考えています。現地での取材も可能です。取材のご参考にしていただければ幸いです。

 世界11ヵ国23組織が産官学のコンソーシアムを組織し、共同研究を進めている「安全かつ効率的な災害初期対応」プロジェクト(英文名称:First responder Advanced technologies for Safe and efficienT Emergency Response (FASTER))の一環で、情報通信技術(ICT)を用いて消防士など災害初期対応にかかわる人々の安全を確保し、初期対応の効率を向上させようというものです。FASTER参加機関は、災害初期対応の効率化のためのシステム開発を進め、2020年から欧州を中心とする複数の国々で地震や洪水、そして火災などを想定したシミュレーション実験を行ってきました。日本での評価実験は今回が初めてで、兵庫県広域防災センターの屋内訓練場およびガレキ訓練場など屋内外の施設を使用した、より災害時に近い環境での実証実験となります。

 当日の様子はYouTube Liveにより動画配信します。
  https://www.youtube.com/channel/UCYttoFos5pFI1aGQeu4Z_yw
 
※分散型台帳技術:データをネットワーク上で共有するデータベース。従来のデータベースと違い、データが分散して保存されることが特徴です。仮想通貨に用いられるブロックチェーンは分散型台帳技術の一種です。今回の技術評価実験に用いる「AIngle」はIoT(モノのインターネット)のリアルタイムによる安全なコミュニケーションを支えるためのものです。

【実験概要】
■日  時:2021年7月26日(月) 8:30~16:00
■会  場:兵庫県広域防災センター・兵庫県消防学校(兵庫県三木市志染町御坂1-19 )
■想  定:兵庫県でマグニチュード7.3の地震が発生し、火災が併発した
■実験内容: 9:00~ 建物が倒壊した屋外ガレキ訓練施設で災害救助犬による実験
      11:30~ ARグラス、ドローンなどを使った屋外評価実験
      14:30~ 屋内の模擬迷路における探査実験
 救助隊員が情報機器を用いて地震及び災害の救助訓練を実施します。カメラを搭載したドローン、スマートウォッチ、着用センサー、災害救助犬用スマートベスト(東北大学が中心となって開発)、拡張現実グラス(Microsoft Hololens2)などの機器を高セキュリティの分散型台帳技術AIngleで統合させ、パーソナルコンピュータやタブレットなどで中央管理を行います。
■参加組織:一般社団法人地域再生・防災ドローン利活用推進協会(RUSEA)兵庫三田支部
      神戸市消防局(垂水消防署)
      東北大学 田所・大野・昆陽・多田隈研究室
      認定NPO法人 日本レスキュー協会
      関西学院大学Intelligent Blockchain+ Innovation Research Center

【Intelligent Blockchain+ Innovation Research Center】
 関西学院大学における特定プロジェクト研究センターの一つ。FASTERコンソーシアムの日本国内唯一の所属機関。欧州一般データ保護規則(GDPR)にも対応した即時性と高いセキュリティ性が必要とされる災害現場に即した情報共有技術「AIngle」を開発した。
  http://blockinnovation.center/