2020.03.03.
「ラグビーは縦ポジションが重要な役割」~トップリーグ加入の杉原立樹選手が卒論研究で実証

「大学ラグビーチームの心理的競技能力の検討~“ONE TEAM”になるために~」

杉原立樹さん

杉原立樹さん

 2019年全国大学ラグビーフットボール選手権大会でベスト8の結果を収めた関西学院大学ラグビー部で、No.8あるいはロックとして活躍した杉原立樹さん(文学部総合心理科学科4年)が、ポジションと心理的競技能力の関係についてチームメイトの協力を得て調査した結果を卒業論文「大学ラグビーチームの心理的競技能力の検討~“ONE TEAM”になるために~」にまとめました。ラグビーで中心的な役割を果たす縦ポジション(フッカー、No.8、スクラムハーフ、スタンドオフ、フルバック)の選手は、その他のポジションの選手と比べ、予測力、判断力を含む作戦能力が高く、自信、決断力も高いという結果となりました。また、関西学院大学ラグビー部は先行研究の他チームと比べ、協調性が高いことがわかりました。「組織として機能するには、作戦能力に加え、“ONE TEAM” にまとまる協調性が必要である」と結論づけています。

 ラグビーは独自の競技特性があり、ポジションや競技レベルの違いによって特有の心理的競技能力が必要になります。杉原さんは、心理的競技能力診断検査(DIPCA.3)を用いて、競技経験、競技レベル、学年、カテゴリー、ポジションで心理的競技能力を比較しました。

●調査方法

【調査日時】2019年6月17日~6月24日

【調査対象者】関西学院大学体育会ラグビー部員110名のうち85名が回答。回答者の平均年齢は19.91歳(18歳~23歳)。 

●調査結果

 縦ポジションの選手の方が他のポジションの選手より、闘争心、決断力、予測力、判断力、自信、作戦能力、さらに心理的競技能力も統計的に高いことがわかった。

 こうした結果をもとに、杉原さんは「“ONE TEAM”として戦うためには、縦ポジションの選手の作戦能力と、組織として機能するための協調性が必要」と説明しています。

 杉原さんは卒業後、社会人ラグビーのトップリーグに属するヤマハ発動機に就職します。「研究で身につけた科学的視点を今後のラグビーにも活かしていきたい」と話しています。