神学部 加納和寛 ゼミ

[ 編集者:広報室       2017年10月16日 更新  ]

近代ドイツの神学思想を研究
現代の課題解決のヒントを探る

加納ゼミの様子

 キリスト教の思想が専門で、特に19世紀から20世紀のドイツにおける神学思想について研究しています。

 現在、日本を含む先進国では、伝統的なキリスト教は衰退傾向にあります。例えば、ヨーロッパの国々はどこもキリスト教国といわれていますが、ドイツではほぼ毎週熱心に教会に行く人の数は全体の約3%しかいません。百年以上前から産業革命の成功やドイツ統一、社会の経済的・政治的変化など、さまざまな理由から人々は急速に教会から離れていき、神学者たちはキリスト教の価値を新しい形で社会に提示する必要に迫られました。私は、当時の神学者たちがこの課題を解決するために、どのような議論をしていたのかに注目し、その議論が現代の諸課題を解決するヒントになるのではと考えています。

加納 和寛 准教授

加納 和寛 准教授

 また、2011年にドイツへ留学した時に、近所のキリスト教会が、ソ連崩壊後にドイツへ移住してきたユダヤ人のためにユダヤ教の施設を作ったことを知り、宗教間対話にも関心を持ち始めました。そのこともあり、私のゼミでは、キリスト教の教えを説くだけでなく、その教えから出発して、社会で生きていく中でどのように人とのつながりを作れるのか、どのような活動ができるのかについても考えています。

 学生には、「多角的視点を持つ」ということを大切にしてほしいと伝えています。神学で扱うものごとは、必ずしも正解が一つというわけではありません。それは神という抽象的存在を重要な対象としているためですが、正解が一つではないのは神学に限らず、家族のあり方、職業選択、人との交流の仕方、人生の意味なども同じではないでしょうか。様々な視点から考えることが、今後の仕事や人間関係の構築に役立つと思います。

山田なつみさん 神学部4年生

山田なつみさん

山田なつみさん

 キリスト教における「愛」について「結婚」をテーマに研究をしています。友人から恋愛相談を受けたとき、悩みに上手く答えられなかったことがきっかけでした。私が答えることができなかった部分に対して、神様はどのような答えを持っているのだろうと興味を持ち、研究しようと思いました。

 まずは、アレッサンドロ・マンゾーニの「いいなづけ」といった宗教や恋愛について書かれた本や聖書を読むことで、キリスト教における恋愛観と現代における恋愛観を比較し、両者に共通する考えなどがあるのかを突き止めたいと考えています。「愛」は人生の大きなテーマの一つだと思うので、それに対してキリスト教がひとつの答えを持っていてほしいという期待は抱いています。

 加納先生は、一つの視点から物事を判断せず、多角的視点を持つことの大切さを常々言っておられます。研究テーマも「これ」と決められることはなく、自由に研究ができています。来年から社会人になりますが、ゼミでの学びを生かして活躍していきたいです。