国際学研究科での学び
上記の教育研究上の理念・目的から分かるように、国際学研究科には「文化・言語領域」、「社会・ガバナンス領域」、「経済・経営領域」といった3つの専門領域が設定されています。加えて、3つの領域を横断する地域研究コースとして、「北米研究」、「アジア研究」、及びこれら以外の地域(例えば、ヨーロッパ)や地域を越えた枠組みとして「グローバル研究」の計3コースも設けられています。
国際学とは何か。われわれは、専門領域(縦軸)から考えた場合、特定の専門領域の視座にあって、国あるいは地域間の比較研究(もちろん、これには国や地域に共通する/超越する国際的な課題研究も含まれています。)を行うことが国際学研究であり、あるいは地域研究(横軸)に軸足を置いた場合、文化・言語、社会・ガバナンス、経済・経営といった各専門領域を横断的に、すなわち学際的・総合的に国・地域を研究することが国際学である、とも考えています。
博士課程前期課程においては、3つの専門領域のうち、研究課題との関連性が深い、少なくとも2つの専門領域を学習し、研究視野を広げることで専門性を高め、同時に国際標準語としての英語における総合力、とりわけ英語による対話力の醸成を目指します。修士論文作成にあたっては、研究課題周辺の先行研究を十分に踏まえ、既存研究に新たな発見・知見を加え、広く国際社会に発信できるような成果をあげることを目指します。
博士課程後期課程においては、博士課程前期課程の履修成果をさらに深化させ、学際的視野をもちつつ、より高度な専門性と研究者としての自律性を確立します。そのうえで、他の専門領域の研究者や実務家、さらには一般市民に対して研究フロンティアの内容を伝播し、そこからのフィードバックを受容できる、発信力と対話力を身につけた研究者を養成します。
国際学研究科専任教員は各々、国際性を切り口に、文化・言語、社会・ガバナンス、および経済・経営の各領域に含まれる人文社会科学のさまざまな専門分野に基づいて研究を行っています。教員は、自らが属する専門領域に基づき、国や地域の国際比較研究を行うこともあれば、複数の専門領域に跨る共同研究・研究会などにも積極的に参加し特定地域研究も進めています。それゆえ、学生は、国際比較研究を通じての専門領域の深化のみならず、北米研究コース、アジア研究コースおよびグローバル研究コースといった地域研究を横軸として、領域横断的・学際的な研究成果をあげることが可能になるのです。国際学研究科では、このような教育研究アプローチを「国際学的アプローチ」と呼んでいます。
(更新日:2025年4月1日)