健康に留学生活を送るために・・・
海外での生活は、政治・思想・習慣などの文化面においても、
気候・風土などの自然条件面においても日本と大きな違いがあります。
慣れない環境の中で、体調を維持するためには事前準備を万全に行うことが必要です。
自らの健康管理をしっかり行い、充実した留学生活を送りましょう。
事前準備
① 留学先の情報収集
●気候条件
気候は、特に月別平均最高気温と平均最低気温、一日の気温差、雨量、
湿度などを調べておき、気候に合った衣類や生活用品を準備しましょう。
●社会的・文化的条件
海外生活に大きな影響を与えるものとして、政治体制、治安状態、
経済状態も考慮しておく必要があります。
これらは時代とともに大きく変動するので、常に注意し新しい情報を知り得ておきましょう。
各地の安全対策基礎データは、下記外務省のホームページで入手可能です。
外務省海外安全ホームページ
●感染症と予防接種
国によって感染症にも特徴があります。
また、感染症の流行状況は変化するので、常に最新の情報を入手しましょう。
下記ホームページで国別の感染症流行状況や、予防接種の必要性が確認できます。
実際に学生が海外でマラリアや腸チフスに感染したという報告もありますので、
必要な予防接種は必ず受けておきましょう。
厚生労働省検疫所 海外で健康に過ごすために 国・地域別情報
定期の予防接種について年齢相応のものがすべて終了しているか、
海外渡航前に母子健康手帳等で必ず確認してください。
麻しん(はしか)・風しんの予防接種については、
今までに2回接種の既往がない方、もしくは接種既往が不明の方に
予防接種をおすすめしています。
予防接種は、ワクチンの種類によって複数回接種が必要であったり、
その接種間隔が数週間必要なものがあるので、早めに予防接種の計画を立てましょう。
特にアメリカ留学に際しては、規定のワクチンの種類と回数を完了していることが
厳しく要求されることがあります。
予防接種実施機関は下記ホームページ等で確認できます。。
なお、保健館では、留学のための予防接種は実施していません。
厚生労働省検疫所 海外で健康に過ごすために 海外渡航のためのワクチン
蚊の媒介によってうつる病気もあります。
デング熱・ジカウイルス感染症などは、予防接種で防ぐことはできません。
流行地域へ渡航される方は、肌の露出を避ける、虫よけスプレー等を適切に使用するなどして、蚊にさされないように十分注意しましょう。
デング熱・ジカウイルス感染症について
【厚労省】海外で注意しなければならない感染症(平成30年7月)PDFリンク
●医療事情
各国によって、医療事情は異なります。
万が一に備えて、受診方法や救急システムについて調べておきましょう。
外務省 世界の医療事情
また、留学先の学校の保健センター(関学でいう保健館のようなところ)の
利用方法も確認しておきましょう。
② 常備薬の準備
海外での生活では、気候の変化で風邪を引いたり、
普段と違う食事や水でお腹の調子を壊したりと、
普段健康な人でも体調を崩しやすくなるものです。
海外では、薬を入手するのが困難だったり、日本人の体質に合わない場合もありますので、
必要な医薬品は持参しましょう。
なお、医薬品は、使用したことのあるものを持参するほうが安心です。
<あると便利なもの>
痛み止め(鎮痛剤)、風邪薬、整腸剤、バンドエイド、日焼け止め、虫除け剤、
消毒薬、体温計 etc
厚生労働省検疫所 海外で健康に過ごすために もしもの時に備えて‐旅行用セット‐
③ 歯の治療
定期的に歯科検診を受けていない場合は、渡航前に歯科検診を受けておくと安心です。
治療が必要となった場合には時間がかかることが多いので、
早めに受診しましょう。
歯科疾患は海外保険の対象外のこともありますので、事前に確認しておきましょう。
*保健館では、5月~6月に歯科検診を行っています
④ 持病のある人
持病のある人は、必ず出発前にメディカルチェックを受けましょう。
そして、自分の病気や薬に関して、英文での紹介状を用意しましょう。
また、渡航期間中に必要な薬については、渡航期間分を持参するか、
現地で処方してもらうかなどを主治医と相談してください。
なお、薬を持参する際は、紛失を防ぐために手荷物として機内に持ち込みましょう。
厚生労働省検疫所 海外で健康に過ごすために 慢性の病気のある方に
⑤ 健康診断書
関学所定の英語版健康診断証明書が必要な方は、
医師のサインが必要になるため、
必ず1週間前までに保健館1階で申し込みをして下さい。
なお、保健館は8月~9月第1週目まで夏季態勢に入るため、
その間に証明書が必要な方は必ず7月10日までに申し込みを済ませてください。
また、年末年始も休館となりますので、必要な方は12月10日までに申し込みを済ませて下さい。
留学先大学所定の健康診断書を求められている場合は、各自留学先の所定用紙を熟読し、
母子手帳などの健康診断書作成に必要な書類をそろえて医療機関を受診してください。
健康診断書作成には予防接種の追加など、時間のかかる場合が多いので、
書類が届き次第、早急に連絡するようにしてください。
(特に、秋学期出発者は、遅くとも6月末までに連絡してください。)
英文での健康診断書を作成している医療機関は下記ホームページに記載されています。
保健館でも対応している時間帯がありますので、保健館で作成する場合は、
下記「留学時の健康診断書について(保健館で作成する場合)」を確認してください。
日本渡航医学会 国内トラベルクリニックリスト
留学時の健康診断書について(保健館で作成する場合)PDFリンク
留学中の注意点
① 健康管理に注意しましょう
食事、運動、休養が「健康のための三原則」です。バランスの取れた食事を取り、
自分の体力と生活に合った運動を行い、十分な睡眠をとることが重要です。
また、海外生活では、日本と海外の文化的な違いから心の不調がみられることもあります。
現地の人々の考え方や習慣を理解し、ゆとりある対応ができるようになればよい友人ができ、
孤独感からも開放されるものです。
心の健康を保つために、出発前から現地の文化的背景を調べ、
自分の考え方を豊かにしておきましょう。
しかし、心の不調が続き、日常の生活や学習が妨げられていると感じるならば、
留学先の学校の保健センターやカウンセリングセンターに相談しましょう。
② 感染症に注意しましょう
感染症予防の原則は手洗い、うがい、マスクの装着です。
これらをしっかりマスターし、効果的な感染予防対策を取ってください!
なお、必要な予防接種を受けておくことは大前提です!
また、蚊によって媒介される感染症もあるので、流行地域に渡航される場合は、蚊にさされないような注意も必要です。
関西学院 保健館 「効果的な手洗い・マスク・うがいのしかた」
デング熱・ジカウイルス感染症について
その他の感染予防について
人から人へうつる病気の主な感染経路は、直接的な血液・体液との接触、
それに性行為があります。不特定の相手と性行為を行わないことはもちろん
他人の血液・体液との接触を避けるようにするなど、しっかり予防対策を
とりましょう。
【水・食料品について】
海外では、水や食料品が日本と異なります。
海外では、生水・生ものは厳禁です。
特に衛生状態の悪い国・地域では気をつけましょう。
→水について
★ 飲料水にはできるだけミネラルウォーターにしましょう。
★ 水道水は、煮沸消毒しましょう。
★ 氷も危険です。氷入り飲料には注意しましょう。
→食料品について
★ 基本的に料理は完全に火の通ったものを湯気がたっているうちに食べましょう。
★ 生野菜は避け、火を通したものを食べましょう。
★ 乳製品や卵製品は、傷みやすいので、衛生状態の悪いものや
調理後時間の経っているものは避けましょう
★ 果物は、自分で皮を剥いて用意できるもの以外は避けましょう
★ 加熱前と加熱後の調理器具は別にしましょう
厚生労働省検疫所 海外で健康に過ごすために 食べ物・水にご注意を!
・・・参考・・・
旅先で下痢になったら(厚生労働省検疫所 海外で健康に過ごすために)
帰国後の注意
帰国の際に発熱・咳・下痢・嘔吐などの症状がある時は、
空港の検疫に申告してください。
また、検疫所では、健康相談も実施されていますので利用しましょう。
関西空港検疫所 帰国時の健康相談
潜伏期間のある感染症は、すぐには発病しません。
なかには潜伏期間の長いものもありますので、帰国後2ヵ月程度は、体調に異常があれば
医療機関に海外留学後であることを告げた上で相談をしてください。
【保健館より‐定期健康診断について‐】
留学中で4月の定期健康診断受けることができなかった人は、帰国後3ヵ月以内に
保健館で受けるようにしてください。