理念・目的・教育目標【大学院教育学研究科】

[ 編集者:教育学部・教育学研究科       2020年7月1日   更新  ]

教育学研究科の教育理念と構成

現代の複雑で多様な教育問題に向き合い、現実に即した具体的な支援のできる教育者・研究者を育てます。

 教育学研究科は、人間一人ひとりの〈いのち〉が、唯一無二の贈与であることへの畏敬をもとに「子ども理解」を深め、「教育とは何か」「人間とは何か」「共生とは何か」を根源的に問い続けながら、生涯にわたる人間形成上の諸問題に向き合う教育と研究を行うことを目指しています。その際、家庭、地域、学校など広く社会全般の人間関係、異なる世代間の影響関係を全体的に視野に入れ、社会貢献に繋がるような研究を重視します。そのためには、関西学院の「学びと探究の共同体」の特徴を充分に活かして、様々な学びと研究を連動させ、大学院生それぞれの研究に活かすことを奨励します。教育学は、保育や教育の実践との結び付きが強い学問ですが、システムに則った実効性ばかりを追求するわけではありません。一つの〈いのち〉が誕生し、人々との交わりの中で自然と文化に触れ、共に学び合い、やがて子を産み育て、老いて死に至る。そこにおける様々な相互行為と生成変化を研究対象とし、そうした行為や事象の「意味」を学際的に問い直すことが重要だと考えます。
 今日の価値観が多様で不確実な状況においては、お互いのライフ・ミッション(生涯課題)の実現へ向けて「共生」するインクルーシヴな社会形成への気概をもち、意味豊かに世代継承していくための普遍的な営み(=要:かなめ)としての保育・教育に、世界市民の一員としての使命(ミッション)を自覚することが大切です。このような気概と自覚を自ら育みながら、広く深い教養としなやかな批判意識をもって、現代の複雑で困難な教育環境や人間形成上の問題に向き合うことができるような研究者、そして、こうした学識と専門性によって奉仕的なリーダーシップを発揮することのできるような高度な実践者を育てることが本研究科の目的です。
 教育学研究科は教育学を専攻とし、乳幼児教育研究領域と共生教育研究領域の2つの研究領域を設け、乳幼児教育学、教育哲学、教育心理学、発達心理学、教育社会学、学校教育学、臨床教育学、環境学、福祉学や教科内容(文化)の研究等の学問的アプローチから、教育・保育に関連する事象や問題について追究します。
 乳幼児教育研究領域では、乳幼児教育に関連する現場(幼稚園、保育所、認定こども園、保育所以外の児童福祉施設等)での実践や子どもの家庭・地域による教育に密着した研究、児童期以降の発達との連続性や小学校教育との円滑な接続、乳幼児を取り巻く環境の多様性を視野に入れた研究を重視しています。
 共生教育研究領域では、「共に生きるとは?」という問いのもと、共生する地球社会、共生する家庭・地域・学校の在り方、そこにおいて相互に学び合い、成長し合う教育の在り方を、学校教育学や臨床教育学等それぞれの専門分野の知見に基づいて探究することを重視しています。
 前期課程においては各領域内に、前期課程から後期課程への5年間の学びを見据え、研究者に求められる資質の育成をねらいとした研究者養成コースと指導的立場を担える教育者・実践者に求められる資質の育成をねらいとした高度教育コースを設けています。両コースとも、修士論文の作成を最終目標としています。なお、幼稚園、小学校、中学校(社会)、高校(公民)の専修免許の取得が可能です。
 後期課程においては、指導教員の下で博士論文の作成を主たる目的とします。この目的を下支えするために自らの専門性や研究テーマをより広い見地から位置づけ、意味づけることを目指して、後期課程独自のコースワークが行われます。