2019.12.09.
歴史を振り返りながら、日本との関係を紹介~駐日ラトビア大使が講演

学生たちに「勉強や観光に来てください」と呼びかけ

ダツェ・トレイヤ・マスィー駐日大使

ダツェ・トレイヤ・マスィー駐日大使

ラトビア共和国のダツェ・トレイヤ・マスィー駐日大使による特別講演会「“Latvia’s Century”(ラトビアの100年)」が12月3日、西宮上ケ原キャンパスの教室であり、学外の方も含め約500人が聴講しました。

VRを体験する来場者

VRを体験する来場者

ラトビア共和国は北ヨーロッパ・バルト三国の一つ。バルト海に面する国で、古くから政治、商業、社会における多様な要素が交錯してきた地理上の要衝となってきました。1918年にロシアから独立。第二次大戦後はソビエト連邦に組み込まれましたが、1989年の人間の鎖を経て、1991年に主権を回復しました。ダツェ・トレイヤ・マスィー大使はこうした苦難の歴史を振り返りながら、2004年にEUとNATOに、2016年にOECDに加盟したことを紹介。「OECDの加盟に際しては日本が支援してくれた」と述べ、自らの国については「多様な国」と言いながら、「伝統的なものを重んじる国で、日本と似ている」と説明しました。そのうえで「近代化を進め、成長を促進する必要がある」と強調し、学生たちに「勉強や観光に来てください」と呼びかけました。

ラトビアと関西学院の関係は、1918年から21年まで、原田の森時代の関西学院高等学部(文科・商科、現在の大学)で、イアン・オゾリンという名のラトビア人青年が英文学と英語を教えていたことが始まりです。ラトビアがロシアから独立したあと、16か国語を話したとされるオゾリンは関西学院の教師をしながら、神戸でラトビア領事の役割を担い、学生にも多大な影響を与えました。旧ソ連時代からしばらくは関係が途絶えていましたが、2007年、大阪外国語大学のラトビア人留学生から当時の英語教師に関する問い合わせがあり、学院史編纂室が調査していた内容を『学院史編纂室便り』に記載。その内容を駐日大使館が翻訳して本国に送るなどして再び交流が始まり、08年には駐日大使による講演会が開催され、11年には国交樹立90年・国交回復20年を記念してラトビアの国樹オークが関西学院に贈られるなどしています。