2018.03.24.
101校の高校生が成果を発表!「SGH甲子園2018」開催

最優秀賞に関西学院千里国際高等部と宮崎県立五ヶ瀬中等教育学校

開会式の様子

開会式の様子

 全国のスーパーグローバルハイスクール(SGH)の高校生たちが研究成果を発表し合う「全国スーパーグローバルハイスクール課題研究発表会2018 SGH甲子園」(関西学院大学、大阪大学、大阪教育大学主催、早稲田大学協力)が3月24日、関西学院大学西宮上ケ原キャンパスで開かれました。
 2017年度文部科学省大学入学者選抜改革推進委託事業(主体性分野)の調査・研究の取り組みの一環で、101校140チームが参加。学校関係者を含めて約2400名が集うなか、高校生たちは、「外国人観光客向け医療アプリ開発」「初等教育におけるプログラミング教育」「自然災害発生時に多文化間で発生する問題とその解決策」など、多岐にわたるテーマで発表。発表は、プレゼンテーション、ポスタープレゼンテーション、ディスカッションの3部門に分かれて日本語と英語で行われました。

ディスカッション「CO2削減は本当に必要か?」

ディスカッション「CO2削減は本当に必要か?」

 参加した高校生たちからは「鋭い質問が多かったので、今後はより入念な準備を心掛けたい」「研究に関する文献が英語のものばかりで苦労した」「人前で話すことが苦手だったが、SGH甲子園を通して苦手に挑戦できた」「自分の意見や研究を伝えることの難しさを感じた。将来は、自分の言葉で自分の意見を伝えられるようになりたい」といった声が聞かれました。
 発表後には、高校生交流会と高校教員交流会が開かれました。高校生たちは予め作成していた自己紹介カードを交換し、積極的に他の学校の生徒と意見交換などをしていました。

宮崎県立五ヶ瀬中等教育学校のエキシビジョン発表

宮崎県立五ヶ瀬中等教育学校のエキシビジョン発表

 閉会式では、主催大学の教員による審査によって各部門の受賞者が発表され、プレゼンテーション日本語部門では「カンボジアの貧困層に医療を届けるための日本の非政府組織の可能性:Sunrise Japan HospitalとNPO法人Japan Heartの事例から展望を探る」について発表した関西学院千里国際高等部、英語部門では「An ideal model of community bus service in aging society」を発表した宮崎県立五ヶ瀬中等教育学校がそれぞれ最優秀賞に選ばれ、中央講堂でエキシビジョン発表をしました。

千里国際高等部のエキシビジョン発表

千里国際高等部のエキシビジョン発表

 千里国際高等部は、カンボジアで実施したインタビューやアンケートから得たデータを基に、現地の医療問題を分析し、日本の市民運動がその問題をいかに解決できるかについて発表。宮崎県立五ヶ瀬中等教育学校は、自分たちが住む五ヶ瀬地域が高齢化によって抱える問題を、地域のコミュニティーバス「G-line」を有効活用することで解決できる可能性を発表しました。両校の生徒は、約1000人の観客の前でも堂々とした発表を披露し、会場からは大きな拍手が送られました。

高校生交流会では積極的な意見交換が行われた。

高校生交流会では積極的な意見交換が行われた。

◆本大会における受賞高校と受賞者は下記の通りです。

【プレゼンテーション部門】
最優秀賞(英語)  :宮崎県立五ヶ瀬中等教育学校
           「An ideal model of community bus service in aging society」
最優秀賞(日本語) :関西学院千里国際高等部
          「カンボジアの貧困層に医療を届けるための日本の非政府組織の可能性:
           Sunrise Japan HospitalとNPO法人Japan Heartの事例から展望を探る」
優秀賞(英語)   :東京学芸大学附属国際中等教育学校
優秀賞(日本語)  :宮崎県立宮崎大宮高等学校

【ポスタープレゼンテーション部門】
最優秀賞(英語)  :千葉県立佐倉高等学校
最優秀賞(日本語) :京都市立堀川高等学校
優秀賞(英語)   :法政大学女子高等学校
優秀賞(日本語)  :順天高等学校

【ディスカッション部門】
最優秀賞  :広島県立中学校・広島高等学校 谷 知典(たに とものり)さん
優秀賞   :関西大学高等部 梶山 大誌(かじやま だいし)さん
        富士見丘中学高等学校 真田 南(さなだ みなみ)さん
審査員特別賞:広島県立広島中学校・広島高等学校 斉賀 智子(さいか ともこ)さん

SGHは2014年度から始まった文部科学省による事業で、高等学校での教育を通して、将来、国際的に活躍できるグローバル・リーダーの育成を目的としています。指定された高校は、目指すべきグローバル人物像を設定して、国際化を進める国内外の大学や企業、国際機関などと連携をとり、グローバルな社会問題やビジネスをテーマに学習を行います。生徒たちは学習を通じて、社会課題に対する関心や教養、コミュニケーション能力や問題解決力などの国際的素養を身につけます。