2018.01.12.
教育学部で16年続く通学ボランティア 小学生が感謝の会

上ヶ原小学校の体育館で

 西宮聖和キャンパスに通う教育学部生の有志が近隣の西宮市立上ヶ原小学校の児童のために取り組んでいる、登校時の安全確保と見送りのボランティアに対して、児童による「感謝の会」が1月12日に、上ヶ原小学校の体育館で開催されました。

 この活動は2001年6月8日に発生した大阪教育大学附属池田小学校児童殺傷事件に衝撃を受けた教育学部の藤木大三教授が、地域の児童の安全対策に協力しようと、聖和大学(当時 09年に関西学院と合併)教育学部生たちに呼びかけ、事件から1カ月後の7月8日から始まりました。以後、16年間、途切れずに続いています。
 学生たちは午前7時半までに大学に集合し、交通量の多い交差点や幅の狭い道など、児童が危険にさらされやすい地点で活動。猛暑の夏も雨の日も通学路に立ち、児童とのコミュニケーションを続けています。次第に良好な関係が築かれ、児童が登校後に正門で大学生を待ち構え、グラウンドで鬼ごっこやドッジボールをするという光景も見られます。
 今では、藤木教授や学生たちの熱心な活動を見た地域の老人会やボランティアの方々も仲間に加わり、一緒に活動しています。世代を超えた交流も生まれています。

 感謝の会では、児童の代表が「いつも寒い中、私たちを見守ってくれてありがとうございます」などとお礼を述べました。その後、全校児童が合唱で感謝の気持ちを伝えました。
 学生を代表して鳥居昂平さん(教育学部3年生)は「1年間、みんなが大きな事故やけがをすることなく登校できて良かった。今後も、みんなの元気な姿が見られることを楽しみにしています」と話しました。
 児童たちからお礼のメッセージカードを渡されると、学生たちは嬉しそうに目を通していました。交通ボランティア活動は、次年度も継続される予定です。