2018.01.08.
Harvard x KG 公開討論会「世界に挑戦し続ける - SDGsに私たちは何ができるのか」

西宮市の市大学交流センターのステージ

西宮市の市大学交流センターのステージ

関西学院大学の学生と、米・ハーバード大学で日米の学生間交流促進を目的に活動している学生団体「Harvard College Japan Initiative (HCJI)」の学生、計10人が、持続可能な開発目標 (SDGs: Sustainable Development Goals)について英語で話し合う公開討論会「世界に挑戦し続ける - SDGsに私たちは何ができるのか -」が1月7日、兵庫県西宮市の市大学交流センター大講義室(ACTA西宮東館6階)で開かれました。

グループ1

グループ1

最初に、両大学の学生によって構成された2グループによるプレゼンテーションが行われました。 両グループは、地域と国がSDGsの目標17項目をどのように達成できるのか、特に目標11(包摂的、安全、レジリエントかつ持続可能な都市および居住区の実現)と目標12(持続可能な消費および生産形態の確保)について熱心に話しました。
 グループ1は、マニラ、ロサンゼルス、大阪を対象とした国際比較分析を実施。各都市が実施している二酸化炭素排出の規制方法を調査し、それらの効果を高めるため、大阪での緑地拡大やマニラでの公共交通インフラの強化などの策を提案しました。その後、各都市の廃棄物処理管理について比べ、日本でのバイオマス循環採用の可能性や、アメリカとフィリピンにおける環境意識向上の必要性について語りました。

グループ2

グループ2

グループ2は、モロッコにおける電気・電子機器廃棄物(E-waste)の処理についての事例研究を実施。E-wasteを貴金属に加工する廃棄物処理施設の導入など、現状改善の方法を提案しました。さらに、日本がモロッコ産のタコを大量輸入しており、両国の貿易関係が密接であることから、E-wasteの処理に関する共同の取り組みを実施すればより強い相互関係を築くことができるのではないかと述べました。
 プレゼンテーションの後は、両大学生よるグローバル問題に関するパネルディスカッションが開かれました。気候変動や再生可能エネルギー問題に対するアメリカ政府の姿勢、またそれがSDGs達成のための国際的な努力にどのように影響しうるかなどについて議論しました。アメリカのパリ協定離脱の判断に関しては世界に悪影響を与えると考える学生もいれば、中国や日本、インドが気候問題解決や再生エネルギー開発の先頭に立つことにつながると考える学生もいました。

参加者の集合写真

参加者の集合写真

最後に、学生たちは一般参加者と少人数のグループになり、意見交換を行いました。アマンザ・モゼアさん(ハーバード大学4年生、社会学専攻)は「どうすれば世界の問題を解決できるのかについて、魅力的な質問が多く出ました。素晴らしいことだと思います」と話しました。右馬治樹さん(総合政策学部3年生)は「ハーバード大の学生と話す機会はとても楽しかったです。難しいテーマでしたが、彼らに助けられてやり遂げることができました。今回の経験を通して、将来の夢を叶えるための力が身に付きました」と話しました。
 この取り組みは3年前に総合政策学部国際政策学科の村田俊一教授(前国連アジア太平洋経済社会委員会事務局次長)の指導のもとに始まりました。当初は1日のプログラムだったものが、3日間に拡大され、今年も成功に終わりました。今後も両大学の学生の協力により素晴らしい機会が創出されていくと期待されます。

参加者のインタビュー(YouTube)外部のサイトへリンク