2017.12.13.
経済学部・栗田ゼミがマダガスカルの研究で受賞

WEST学生とISFJ日本学生政策会議で

WESTの受賞式

WESTの受賞式

 「2017年度WEST学生(以下、WEST)」と「2017年度ISFJ日本学生政策会議(以下、ISFJ)」の政策フォーラムがあり、経済学部・栗田匡相准教授の3年生のゼミ年がマダガスカルでの研究発表で受賞しました。
 WESTでは、国際a分科会で優秀賞と分科会賞、医療・社会福祉a分科会、国際b分科会、産業分科会で分科会賞を受賞。ISFJでは、教育③分科会、医療分科会、国際分科会で分科会賞、地方政策②分科会で優秀発表賞を受賞しました。

 WESTは、全国から経済・政策系の大学生が集まり、研究を発表します。2017年度は、18大学31ゼミが参加し、68本の論文が報告されました。ISFJは、全国から経済・政策系の大学生が集まり、研究を発表します。ISFJは、25大学48ゼミが参加し、117本の論文が報告されました。ともに、外部の有識者によって論文審査とプレゼン審査があり、最優秀賞(1本)、優秀賞(5本)、分科会ごとに表彰される分科会賞などがあります。

 栗田ゼミ生は、2017年度の夏期休暇中にマダガスカルで実施した調査のデータを用いた報告を行いました。論文テーマは、「マダガスカル農村における個人・家計へのショックに対する子どもの健康とリスクシェアリング(WEST:分科会賞、ISFJ:分科会賞)」、「マダガスカル農村における教材配布のインパクト評価 〜物的介入と情報介入の双方から見た政策介入効果〜(ISFJ:分科会賞)」、「マダガスカルにおける多次元貧困指数を用いた脆弱性分析(WEST:分科会賞、ISFJ:分科会賞)」、「マダガスカル農村における稲作新技術の社会的学習要因と情報の中心性(WEST:分科会賞、ISFJ:優秀報告賞)」、「マダガスカル農村における夫婦間交渉力が子どもの健康に与える影響〜パネルデータによる実証分析(WEST:優秀賞)」の5つです。

 WESTで優秀賞を受賞したグループの粟井大貴さんは「有識者の中には『マダガスカルを日本で救えるのは栗田ゼミしかいない』と言ってくださる方もおり、頑張ってきて良かったです」。中野隆一郎さんは「マダガスカルついて多くの方々に知ってもらえたことが一番の喜びです。マダガスカルでの調査に協力してくださった方への恩返しになりました」と話しました。
 ISFJで優秀報告賞を受賞したグループの上村光さんは「JICAマダガスカル事務所の協力を得て、JICAが行っている稲作新技術の導入要因と技術非効率性について研究しました。本研究で提言した政策により、少しでもマダガスカルの農業の発展につながればうれしいです」と話しました。
 栗田准教授は「マダガスカルは世界銀行が発行しているレポートやデータによると、世界全体の国や地域の中で下から数えて5番目に貧しい国です(2016年時点での一人あたりGNI)。こうした貧しい国々へどのような支援が出来るのか、専門家でも難しい課題に、ゼミ生18名が過酷な調査環境の中、1ヶ月近い滞在で集めたデータ(1100世帯、4500人程度のデータ)をもとに論文を執筆し、具体的で実現可能性がしっかりとある政策提言を行ったことには、とても意味があります。また、論文で使われている計量経済学のスキル、フィールド実験なども学部の学生が取り扱うには非常にレベルの高いものばかりでした。ゼミの学習に1年以上真剣に取り組む中で、ずいぶんと能力が向上しました」とゼミ生の労をねぎらいました。