2017.01.13.
教育学部で15年続く通学ボランティア 小学生が感謝の会

 教育学部生が毎朝、西宮市立上ヶ原小学校の子どもたちのために行っている登校時の安全確保と見送りのボランティアに対して、上ヶ原小学校の児童らによる感謝の会が1月13日、同校体育館で開催されました。
 この活動は、2001年6月8日に発生した大阪教育大学附属池田小学校児童殺傷事件に衝撃を受けた教育学部の藤木大三教授が、地域の児童の安全対策に協力しようと、聖和大学(当時 09年に関西学院と合併)教育学部生たちに呼びかけ、事件から1カ月後の7月8日から始まりました。以後、15年間、途切れずに続いています。

 2016年度は、教育現場で働くことを目指す学生を中心に約30名が参加しました。学生たちは午前7時半までに大学に集合し、交通量の多い交差点や幅の狭い道など、児童が危険にさらされやすい地点で活動。猛暑の夏も雨の日も通学路に立ち、児童とのコミュニケーションを続けています。次第に良好な関係が築かれ、児童が登校後に正門で大学生を待ち構え、グラウンドで鬼ごっこやドッヂボールをするという光景も見られます。今では、藤木教授や学生たちの熱心な活動を見た地域の老人会やボランティアの方々も仲間に加わり、世代を超えた交流も生まれています。
 感謝の会では、児童の代表が「私たちの安全のため、いつも見守ってくれて本当にありがとうございます。私は6年間、事故なく通学できました。学生の方は、通学ボランティア以外でも一緒に遊んでくれて、みんな楽しみにしていました。とても楽しかったです」などとお礼を述べました。その後、全校児童が合唱で感謝の気持ちを伝えました。
 通学ボランティア活動に参加している学生を代表して杉山涼さん(教育学部3年生)は「児童のみなさんがいつも元気いっぱい挨拶を返してくれるので、学生の私たちは元気をもらっていました。新年度の4月からもよろしくお願いします」などと全校児童に語りかけました。

 藤木教授は「片道2時間弱をかけて通学している学生もいます。この活動を継続することは朝が早くて根気がいりますが、みんな使命感を持ち、しっかり活動してくれました。学生の交通ボランティアに対する姿勢が児童に伝わって、良い関係が築けていると感じています。この経験は社会に出ても絶対に役に立つので、3月に卒業する4年生は自信を持って、新たな場でも活躍して欲しいです」と話しました。
 児童たちからお礼のメッセージカードを渡されると、学生たちは嬉しそうに目を通していました。交通ボランティア活動は、次年度も継続される予定です。