2016.01.26.
高校生を対象にEUIJ関西シンポジウム「EUの難民政策の経験をふまえて 日本の難民支援について考える」を開催

基調講演の井口教授

基調講演の井口教授

 関西学院大学は1月23日、西宮上ケ原キャンパスの中央講堂で、EUIJ関西シンポジウム「EUの難民政策の経験をふまえて 日本の難民支援について考える」を開催し、高校生を中心に約360人が参加しました。主催・EUインスティチュート(神戸大学、関西学院大学、大阪大学)。共催・大阪府立北野高等学校、兵庫県立長田高等学校、関西学院高等部。後援・文部科学省。

 基調講演では、「EUの難民受け入れの現状と課題」をテーマに井口泰・関西学院大学経済学部教授が登壇し、EUにおける難民危機の背景や難民対策の動向などを話しました。
 その後、ミャンマーからの難民2世であるテュアン・シャンカイさん(総合政策学部4年生)が、「日本で困っていること」についてスピーチ。難民が抱く高額な医療費への抵抗や不安、日本語習得の難しさなどを紹介しました。

特別講演の小池氏

特別講演の小池氏

 特別講演では、小池百合子氏が「日本の難民支援についての現状と課題」をテーマに登壇。日本の難民受け入れの歴史や現状、小池氏が取り組むクラウド・ファンディングによる難民支援のプロジェクトなどを解説し、「私たちにとって当たり前の生活が、難民にとっては当たり前でなく、本当にうらやましいことになります。日本での生活に感謝し、自分たちが難民のために何ができるかを考えてください」と話しました。

公開討論会の様子

公開討論会の様子

 シンポジウムの後半には、高校生公開討論会を実施。討論のセッションは3つあり、各セッションでのテーマに対して各校のパネラーがプレゼンを行った上で、各校意見を主張し、主張に対してフロアからも質問や提言を受けつけて討論する形式です。
 セッション1は「EUの難民対策・昨今のシリア難民問題をどのように考えるか」、セッション2は「日本は難民を受け入れるべきか」、セッション3は「日本が難民を受け入れるにはどうすればよいか」をテーマに実施しました。パネラーとして参加している大阪府立北野高等学校、兵庫県立長田高等学校、関西学院高等部の生徒だけでなく、他の近畿圏の高校生や徳島県・広島県など遠方から参加している高校生も議論するなど、活発な討論が行われました。
 講評・閉会挨拶では、進藤修一・大阪大学教育担当筆頭副理事が「活発な討論を聞くことでき、有意義な時間でした。今後もこのような機会を大切にしてください」などと参加していた高校生に話しました。