2015.06.12.
高大接続フォーラム開催~高校改革・大学改革・入試改革について考える~

 関西学院大学は6月5日、京都大学、大阪大学と合同で文部科学省後援による「高大接続フォーラム~高校改革・大学改革・入試改革について考える~」を開催しました。

 基調講演では、文部科学省大臣官房審議官(高大接続・初等中等教育局担当)伯井美徳氏が登壇。「高大接続改革実行プランについて~高等学校の教育改革の検討内容を中心に~」と題した講演を行いました。高校生の基礎学力の不足、学習意欲の低さなどの状況を踏まえ、知識量だけでなく多面的に評価する「大学入学者選抜」、知識伝達型によらず真の学ぶ力を育成する「高校教育」、高校までに培った力をさらに向上させ社会に送り出すための「大学教育」が一体となった改革の必要性を訴えました。

 基調講演の後は、実際に大学の現場で高大接続・入試改革の取り組みがどのように行われているか、京都大学、大阪大学、関西学院大学の各副学長が紹介しました。
北野正雄・京都大学教育担当理事・副学長は、サマースクールやサイエンスフェスティバル等の高大連携の取り組みや、高校での行動・成果を重視した特色入試の導入にについて紹介。「入試は選抜でなくマッチング。アドミッションポリシーに基づき、それぞれが能力を発揮できるような仕組みが大切」と話しました。
 
 東島清・大阪大学教育担当理事・副学長は、大阪大学では主体的に学びの姿勢を重視しており、新たに導入する「世界適塾入試」でも高校で主体的に学ぶ態度・能力を身に着けた人材を積極的に受け入れたいとし、「大阪大学の原点である適塾の精神を受け継ぎ、物事の本質を見極める学問を追求し、学問による「調和ある多様性」を創造していきたい」と締めくくりました。

 小菅正伸・関西学院大学理事・副学長は、「関西学院は創立当初から世界市民育成をミッションとしてきた」とし、関西学院大学での特色ある国際教育プログラムなどを紹介しました。続いて 尾木義久・関西学院大学高大接続センター次長は、大学教員や海外ボランティアを経験した学生派遣などの高大連携事業を紹介し、「現在の高大接続改革の取り組みは、これからの時代を生きるための力を養うためのものである。未来を生きる子供達にどのような力をつけてもらうのかという教育の原点に立ち返って、高校の現場の先生方と一緒に高大連携に取り組んで行きたい。」と述べました。

 最後に入試改革に向けた取り組みと学部検定試験の活用について、一般財団法人CEES(株)ベネッセコーポレーションの山田高幹氏が説明しました。
 会場には全国から高校教員など教育に関わる方約400人が来場。終了後は活発に質疑応答などが行われるなど熱気にあふれるフォーラムとなりました。