2014.09.12.
関学大図書館が私立大学図書館協会賞を受賞!

授賞式/奥野・大学図書館長(中央)と安本・大学図書館事務部長(右)

授賞式/奥野・大学図書館長(中央)と安本・大学図書館事務部長(右)

 関学大図書館は8月28日、岡山理科大学で開催された第75回私立大学図書館協会総会において、2013年度私立大学図書館協会賞を受賞し、奥野卓司・大学図書館長と安本裕和・大学図書館事務部長が表彰式に出席しました。受賞したのは1月に発行した『関西学院大学図書館史1889年~2012年』(関学大図書館発行、大学図書館史編纂委員会編集、772頁)です。協会賞は図書館・情報学の研究・調査や大学図書館の経営管理業績などの向上発展に寄与する顕著な業績などに対して授与されるもので、関学大の受賞は、協会賞が制定された1958年(昭和33年)以来初めてです。

奥野・大学図書館長

奥野・大学図書館長

 『関西学院大学図書館史1889年~2012年』は2005年に編纂作業を開始し、足掛け9年を経て完成しました。関西学院が創設された1889年の黎明期から現代までを初めて体系的に網羅したもので、情報処理技術の進展に合わせて姿を変えてきた大学図書館の変容をたどり、学部などで分散管理していた図書資料などを図書館に集約しつつ、知の発信源として学院の中心に据えるための創立以来の歴史を克明に検証しています。

安本・大学図書館事務部長

安本・大学図書館事務部長

 図書館ゆかりの人物像では、蔵書を詰め込んだトランクをもって来日し、空っぽの書架に並べることから始めた初代図書館長・J.C.C.ニュートン(1889年就任)、図書館の近代化を図った第4代館長・W.K.マシュース(1908年就任)、最先端のノウハウを持った初代司書・磯部泰治(1909年就任)、海外でも活躍し図書館の基礎をつくり上げた第2代司書・中島猶治郎(1914年就任)らの功績を紹介し、図書館発展史に隠れた人物史として掘り起こしています。ほかにも、1918年に14歳で関学図書館に就職し、独学で英語・ドイツ語の文献を使いこなした第7代司書・入交光三にもスポットライトが当てられています。

関学大図書館エントランスホールの様子(西宮上ケ原キャンパス)

関学大図書館エントランスホールの様子(西宮上ケ原キャンパス)

 奥野・大学図書館長は「長い年月と全館員の努力によってようやく完成しました。この受賞は大学図書館全体に授与されたものと受け止めています。100年を超す図書館員の業務の工夫についての記録は、関学大だけでなく日本の私立大学図書館の変化についての貴重な学術的史料として今後も使っていただけるものであると思っております」と語りました。
 また、編纂作業に携わった安本・大学図書館事務部長は「館史編纂の過程では資料や写真が残されていなかったことに苦労したが、知の発信源という理想を実現するための努力がよく分かり読み応えがあるものになっていると思う。ぜひ手に取ってほしい」と話しました。

本書は関西学院大学リポジトリからご覧になれます。

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