2014.06.03.
世界市民フォーラムin神戸「子どもの姿が見えなくなるとき~“揺らぎ”を支える共育へ~」を実施

◆世界市民フォーラムin神戸の採録記事が朝日新聞大阪本社版6月1日朝刊に掲載されました。紙面は、画面下のPDFファイルからご覧ください◆

 関西学院大学は5月18日に神戸朝日ホールで、世界市民フォーラム「子どもの姿が見えなくなるとき~“揺らぎ”を支える共育へ~」を開催しました。本フォーラムは関西学院125周年事業の一環。朝日新聞社後援。採録記事は、朝日新聞に6月1日付朝刊で掲載される予定です。

 基調講演では、作家のあさのあつこ氏が3人の子育て経験を通じて抱えた“揺らぎ”などについて話し、「30代までは子どもがいるから作家になる夢が叶わないと考えていました。でもそれは思い込みで、子育てを通じて自分が考える枠だけで物事を捉えてはいけない、自分も誰かの支えになっているし、誰かに支えられているということを教えられました。子育てを通じていろんな経験をし、それがアイデアとなって物書きになりたいと思えるようになったし、執筆意欲も湧くようになりました。人はいろんな悩みを抱え、揺らぎますが、揺らぎがある方が人としてしなやかで強くなる。子育ては、こうあるべきというものではないし、もっと個性的であっていいと思います」などと話しました。

藤井恭子 教育学部准教授

藤井恭子 教育学部准教授

 基調講演後には、藤井恭子・教育学部准教授、日浦直美・教育学部長、NPO法人「ファザーリング・ジャパン」ファウンダー/副代表の安藤哲也氏、あさのあつこ氏がパネルディスカッションを実施。藤井准教授はスライドを用いて、現代の思春期の子どもやその親世代を取り囲む環境や心身の変化などを解説。「思春期の子どもは心の中の問題をうまく言葉にすることができません。また親もどうしていいかわからないことは多いでしょう。揺らぐのは当たり前です。揺らぎを否定するのではなく、互いに認め合い、支え合うことを大切にして欲しいです」などと話しました。

パネルディスカッションの様子

パネルディスカッションの様子

 安藤氏は父親の子育てについて説明し、「これまでの日本社会では仕事が最優先され、家族との時間は後回しにされてきました。都市部では少しずつ改善されていますが、地方ではまだまだ仕事優先の風潮があります。しかし、それでは家族の本当の姿はわかりません。少しずつでいいので、父親が家族との時間を作れる社会にしていきたいです」などと話しました。

 

当日は関西学院グリークラブによる合唱もありました。会場には約400人が詰めかけ、熱心に話に聞き入っていました。

朝日新聞記事「世界市民フォーラムin神戸」PDFリンク