2012.03.25.
市民科学講演会「はやぶさ物語」―川口教授、安部准教授が講演

講演する川口淳一郎・JAXA教授

講演する川口淳一郎・JAXA教授


 日本物理学会と日本物理学会第67回年次大会実行委員会が関西学院西宮上ケ原キャンパス・高中部礼拝堂で市民科学講演会「はやぶさ物語」を開催しました。
 同講演会は、日本物理学会第67回年次大会の一環。講師には、「はやぶさ」プロジェクトの中心となった川口淳一郎・JAXA教授、安部正真・JAXA准教授を招きました。

 小惑星「イトカワ」を探索することを目的に打ち上げられた「はやぶさ」。イトカワの着陸には成功したものの、様々なトラブルのため帰還が危ぶまれました。しかし、「はやぶさ」はそれらを克服し、約60億キロの旅を終え、7年ぶりに地球へ帰還したことは記憶に新しいところ。

 安部准教授が「はやぶさ」が持ち帰ったものについて、パワーポイントを使いながら分かりやすく説明。川口教授は、映画『はやぶさ 遥かなる帰還』や『おかえり、はやぶさ』などを引き合いに出しながら、「はやぶさ」の苦難の軌跡をソフトな語り口で紹介しました。「日本は製造の国から創造の国へ変わらなければならない。個性とインスピレーションを伸ばす人材育成に私も取り組む。高い塔を建ててみなければ、新たな水平線は見えて来ない」と川口教授は講演を締めくくりました。

 会場に詰めかけた約600人の市民は熱心に耳を傾けました。小中学生など子供たちの参加者も目立ち、講演後の質疑応答も途切れることなく続きました。