2012.03.06.
社会学部大谷ゼミが西宮市マンションの実態調査を書籍で出版

 関西学院大学社会学部・大谷ゼミの4年生16人と大谷信介教授が、西宮市内に存在するマンションとその居住者の実態を住宅地図とアンケートから明らかにした『マンションの社会学:住宅地図を活用した社会調査の試み』(大谷信介編著、ミネルヴァ書房、税込3,150円)を出版する。
 大谷ゼミでは住民基本台帳などの公的名簿の利用が年々制限される中、新たな調査手法の開発を目指していた。2008年から5年間、のべ81人の学生が、ゼンリン住宅地図の情報を基にマンション棟数を数え、西宮市の約900人のマンション居住者に対して調査を実施。結果、西宮市には7,178棟のマンションがあることがわかり、「どの駅にどのようなマンションが建てられているか」といったマンションの空間的分析や「社宅の減少(570棟→302棟)」など経年変化分析、「階数と間取り、誰とどのように暮らしているか」などマンションと居住者の特徴なども明らかにされている。西宮では3LDK以上のマンションに住んでいる70歳代単身女性が多いという特徴も。大谷教授は「市内にマンションが何棟あるか市役所が把握していないという事実は多くの市民にとって驚きでは。十分なデータに基づいた住宅施策は日本社会の大きな課題。今回の調査はさまざまな実態を明らかにした画期的なもの」という。ゼミ長を務めた土屋悠さん(社4)は「日本では空屋が増え、高齢者が増える一方、住宅不足も発生している。この本がこれらの住宅問題を解決する一歩になってほしい」と期待を寄せる。

大学卒業式の3月19日に完成し、関学生協や一般書店では4月から販売予定。