2011.12.17.
南三陸町歌津中学校・元校長が講演

「津災(しんさい)を乗り越える子どもたち」と題して

 地震と大津波で甚大な被害を受けた宮城県本吉郡南三陸町の歌津中学校元校長・阿部友昭さんが16日、関西学院大学・西宮上ケ原キャンパスを訪れ、関学生や西宮市教職員などを対象に講演しました。西宮市教育委員会と「Heart on Coin“絆”プロジェクト」の関学生らが同町の復興支援をしてきたことが縁で実現しました。

 阿部さんは自らも被災し自宅を失い、3ヵ月間、体育館での生活を余儀なくされながらも、被災した子どもたちの支援に奔走しました。南三陸町は津波で役場が壊滅、町職員も多数亡くなり行政機能を失いました。西宮市は関西広域連合での取り決めに基づいて、南三陸町の復興支援を重点的に行っています。その一環として、被災地の子どもたちの心のケアと学校再開の支援をするため、これまでに4回、西宮市教育委員会の職員と「Heart on Coin“絆”プロジェクト」の関学生らが教育支援チームとして派遣されています。関学生たちは、子どもたちの学習支援や運動会のお手伝いなどをしてきました。

 阿部さんは講演で「“自分の命は自分で守る”ということを小さい子どもにも教えていくのが教育の役目」と話しました。また、教師志望の学生から「被災した子どもへの接し方」を問われると、「人間としての心を忘れてはならない。どんな小さな子どもに対しても、一人ひとりの心を大切にする教師になってほしい」とこたえました。


※Heart on Coin“絆”プロジェクトとは
 大震災復興支援の被害に心を痛め、何とかしたいという思いをもった関学大生たちによって、2011年3月16日に結成。「"心"と"心"をつなぐ顔の見えるお金の支援」を掲げ、ウェブサイトや街頭での呼びかけに応じて送られてきたメッセージとお金を被災地の学校へ直接送っている。被災者から支援者にメッセージを返してもらい、直接あるいはウェブサイト上で支援先の様子やお金の使い道などを随時公開、報告している。