2010.03.23.
ベトナムのレファンさん―留学生文学賞を受賞

 ベトナムからの留学生、レファン・バオカンさん(大学院商学研究科)が書いた小説「月光」が「留学生文学賞2009」の奨励作品賞を受賞した。この賞は、日本に留学している学生が日本語で書いた小説や詩が対象。133作品の中から7編が選ばれた。
 「月光」は、ベトナム戦争をテーマに、戦地にいる夫の手紙を交えながら、父親の顔を知らない幼い子どもと夫の帰りを待ち続ける妻を描いている。レファンさんは「小説を通じて、戦争の悲惨さを訴え、ベトナムでの戦争を再び起こさないようにしたいという願いを込めた」と話す。日本文化が好きで、ベトナムの経済大学を中退して来日、短大や大学で日本語を学んでいた。現在は大学院でマーケティングの研究を続けている。
 「小説を書いたのは今回が初めて。受賞はほんとに驚いた」という。「ゆらゆら」「きらきら」といった明るい擬態語や擬音語が大好きで、小説にも多く取り入れた。「細やかな描写が出来るように、これからいろいろな日本の小説を読んで勉強したい」と意欲を見せる。