2008.04.07.
高校生向けサイエンス読本を発行―尾崎幸洋・理工学部長 編

 高校生向けの読本『未来を拓く人と環境にやさしいサイエンス』(尾崎幸洋 編)がこのほど発行された。尾崎幸洋・理工学部長を筆頭に、同学部のサイエンティスト6人が様々な角度から「人と環境にやさしいサイエンス」について平易な言葉で解説している。大学教員の研究テーマを高校生向けの読本としてまとめるのは珍しい。
 本書で取り上げている分野は、物理化学、物質科学、有機化学、生命科学、地球化学の5つ。物理化学では、最終的に水と二酸化炭素に分解される生分解性プラスチックの未来や、様々な分野への応用が期待されるタンパク質の構造決定について解説。物質科学ではX線による物質表面の観察と環境問題の密接な関係を、有機化学ではこれからの医療や介護を支えるプロセス化学を、生命科学では謎の生物「珪藻」と地球環境の関係を、地球化学では岩石と地球環境の関係を紹介している。
 高校生にわかり易くするため、出来るだけ図や写真を多く使い、研究室探訪風の読み物となっているのが特徴。編集を手がけた尾崎学部長は、「本書を読んで一人でも多くの高校生がサイエンスに興味を持ってもらえれば」と話す。
 B5版、95ページ。株式会社アドスリーが発行、定価1500円(税抜き)で全国の書店で手に入る。

【目次は次のとおり】
■物理化学
 「環境に優しいプラスチック」
 尾崎幸洋 理工学部教授(学部長)
 「タンパク質の構造を決める~形を決めることでさまざまな世界へ拡張ができ
 る~」
 山口宏 理工学部准教授
■物質科学
 「シンクロトロン放射光が解き明かす環境調和型プラスチックの表面構造」
 高橋功 理工学部教授
■有機化学
 「医薬品のプロセス化学~環境調和型有機合成を目指して~」
 田辺陽 理工学部教授
■生命科学
 「地球環境を探る新しいモデル生物 『珪藻類』」
 松田祐介 理工学部教授
■地球化学
 「地球の歴史から地球環境を探る」
 壷井基裕 理工学部専任講師

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