2025.09.04.
大阪・関西万博でCCCプログラムの成果発表会を実施

授業風景
授業風景

関西学院大学は、カナダの4大学(トロント大学、クイーンズ大学、マウント・アリソン大学、ウエスタン/キングス大学)と、バーチャルカレッジ「Cross-Cultural College(以下、CCC)」を協働で運営しています。今回は、CCCの設立から15年を記念して、提供しているプログラムのひとつである「CCC Global Career Seminar in Japan」の成果発表会を大阪・関西万博 カナダパビリオンで開催しました。本学20人とカナダの大学生19人をあわせた39人が、国境を越えた絆を育みつつ、企業・団体の課題を解決するためのビジネスプランを、力を合わせて英語で発表しました。

CCCは、提供するプログラムの一つである「Global Internship in Japan(GIJ)」が、2024年の第7回「学生が選ぶキャリアデザインプログラムアワード」で、関西初となる文部科学大臣賞を受賞するなど、本学において最もレベルの高い国際教育プログラムの一つとして定着しており、中長期の海外留学を終えた本学学生のさらなる学びの機会としての役割も果たしています。

成果発表会の会場となったカナダパビリオンには、プログラムに協力いただいた5つの企業・団体の担当者やカナダ政府関係者など、およそ80人が参加しました。
はじめに、カナダパビリオンで政府代表を務めているローリー・ピーターズ氏があいさつを行い、「CCCとは深い繋がりがあり、このような機会を非常にうれしく思っています。学生の皆さんは緊張しているかもしれませんが、今からは皆さんが輝く機会ですので頑張ってください。」と話されました。ローリー・ピーターズ氏は、CCC設立当初から企業の紹介などで協力をいただいており、今回はそのご縁からカナダパビリオンでの開催に至りました。続いて、文部科学省 高等教育局 参事官(国際担当)付専門官の土屋 紗喜子氏があいさつを行い、同省の「大学の世界展開力強化事業」の採択を受けてスタートしたCCCが設立15周年を迎えたことに対して祝辞の言葉を述べられました。
次に、CCCの創始者、水戸考道氏が特別ゲストとしてあいさつを行い、「CCCを設立した際には夢にも思わなかった、大阪・関西万博のカナダパビリオンでの実施を、CCC15周年を記念して実現できることは、大変感慨深く嬉しく思います。」と話され、カナダパビリオンの方にお礼の言葉を述べられました。

成果発表会では、本学学生とカナダの学生が6つの混成グループに分かれ、グループごとに立案したビジネスプランについて、企業・団体の担当者に対して15分間の発表と10分間の質疑応答を英語で行いました。
学生たちは、緊張で言葉に詰まる場面もありましたが、自作のPR用動画・インタビュー動画の投影、さらに発表中に参加者にクイズや質問を投げかけるなど、それぞれが工夫を凝らしつつ、約1週間のグループワークを通してまとめあげた独自のアイデアを堂々と披露し、発表後には大きな拍手につつまれていました。また、成果発表を聞いた各企業・団体の担当者は、学生たちの頑張りと成果を称賛するとともに、学生たちのアイデアをぜひ企業・団体に持ち帰りたいと述べられました。

このうち、カナダ大使館のビジネスプランでは、「2025年大阪・関西万博を活用して、カナダを魅力的な留学先としてPRするための戦略立案」というテーマに対して、7人の学生(本学4人・カナダの大学3人)が発表を行いました。
学生たちは、「1.大阪・関西万博期間中の会場内」「2.大阪・関西万博期間中の会場外」「3.大阪・関西万博後」という3つの期間に分けたプランを設定し、実施するイベントや取り組みを説明しました。
1.のプランでは、実際に学生がカナダパビリオンに訪れた際に、「展示物に対しての説明が少ない」と感じた経験をいかして、パビリオン内にクイズを掲示することを提案しました。これは、日本人が積極的に質問をできないという点を逆手に取り、クイズをきっかけにカナダパビリオンのスタッフに話しかけることを狙ったということです。
2.のプランでは、実際にカナダ大使館が10月に行う留学フェアを活用した取り組みを提案しました。フェアの会場で、参加者がゲーム性を持って楽しむことのできるスタンプラリーの設置や、模擬授業で講師が一方的に話すのではなく、欧米の授業で多く取り入れられている学生を含めたディスカッション形式の授業ブースを設置することを考えました。
最後に3.のプランでは、2028年に日本とカナダの国交開始から100周年を迎えるのを記念して、東京駅からも近い大手町仲町通を借りて、カナダ各州のグルメを食べることができるブースの出展や、伝統的な飴菓子作り体験ができるイベントを開催することを提案しました。イベントでは、伝統的な飴菓子を作ることで、先住民のことを知ってもらうきっかけにしたり、広い世代にカナダという国について興味を持ってもらいたいということです。

続いて行われた質疑応答では、カナダ大使館、カナダ政府関係者から「資料にあった予算表をどのようにして作ったか?」や「大学生以外の子どもたちにどのようにアプローチするのか?」といった質問が出され、学生たちは実際に道路を貸し出している団体のHPから算出したことや、留学フェアで年代に応じた授業を実施するなどのアイデアを回答していました。

すべてのグループの発表後、協力企業・団体の担当者、担当教員、参加学生が課題解決度など6つの項目で採点を行った結果、1位にはシュナイダーエレクトリックホールディングス株式会社のビジネスプランを発表したグループが選ばれました(2位はカナダ大使館チーム)。

1位に選ばれたシュナイダーチームに所属する国際学部4年生の三浦 ゆうさんは、「難しいプログラムでしたが賞が取れて嬉しいです。私は2年生の夏に1年間アメリカに留学をして、アカデミックな視点ではグローバルな学びを経験してきました。今回は、カナダの学生とビジネス視点で議論ができたことで、1つ上のステージでの学びができたと思います。卒業後は金融業界でグローバルに活躍したいと考えているので、自分の夢の実現にむけて良い経験ができました。」と将来の目標を話してくれました。

同じく、シュナイダーチームの経済学部3年生の藤井 颯大さんは、「私は留学の経験もないのですが、レベルの高いプログラムに思い切って挑戦してみました。ネイティブの英語を理解するだけでも大変でしたが、徐々にコミュニケーションが取れるようになり、1週間という短い期間でしたが、成長を実感できました。これからの就職活動の中でも、この経験をいかしてグローバルに働けるように取り組んで行きます」とプログラムでの学びの深さを強調していました。

2位に選ばれたカナダ大使館チームに所属し、現在はアメリカパビリオンで館内ガイドのアルバイトも行っている国際学部4年生の金子 麗さんは、「私はこれまで、カナダだけでなく欧州でも生活の経験があり、現在のアメリカパビリオンでのアルバイト経験を通じて、グローバルな考え方を培ってきました。今回のプログラムでは、そういったグローバルな考え方に加え、自分の国(日本)がその中でどういった位置にあるのか?を考える新たな視点を持つことができ、非常に良い経験でした。」とプログラムを通じて学ぶことができた点を話してくれました。

(ビジネス課題のテーマについて)
参加企業・団体 ビジネス課題
エア・カナダ 誇りを胸に空へーエア・カナダが日本の若者とLGBTQ旅行者の心をつかみ、ブランドへの信頼を築くための戦略立案。
カナダ大使館 2025年大阪・関西万博を活用して、カナダを魅力的な留学先としてPRするための戦略立案。
ガルーダ・インドネシア航空
※2グループを担当
大学生向けの「バリ島スタディツアー」の企画提案。
シュナイダーエレクトリックホールディングス株式会社 同社が日本市場における存在感を高めるためにはどのような取り組みが有効かを企画提案。
大和製衡株式会社 海外赴任前の日本国内拠点の社員が、海外現地法人の代表取締役として求められる能力を養うことができるキャリアパスを企画提案。

CCCについて、詳しくは以下からご確認ください。
Cross-Cultural College(CCC)CIECへのページへのリンク