2025.06.19.
大学博物館の企画展記念イベントで銅版画の刷りのデモンストレーション

関西学院大学博物館で開催中の企画展「カラフル!日本の蔵書票 -技ひかる小版画の世界-」を記念したイベント「銅版画の蔵書票ができるまで 解説&刷りのデモンストレーション」が、6月13日(金)に関西学院会館で開催されました。講師は版画家、東北芸術工科大学名誉教授の若月公平氏で、版画技法の解説や自身の創作活動について話されたあと、実際に銅版画の蔵書票を作成する過程を集まった人たちに披露しました。

蔵書票は、本の見返し部分に貼って、その本の持ち主を明らかにするための小さな紙で、15世紀にヨーロッパで誕生したとされています。大学博物館には、1万点を超える蔵書票・豆本・版画などのコレクションがあり、企画展を開催しています。
それを記念して、銅版画の解説と実演をおこなうイベントが開催され、岩手県や熊本県などから60人の参加者が関西学院会館に集まりました。

講師を務めたのは、版画家で東北芸術工科大学名誉教授の若月公平氏です。若月氏は、版画技法の解説や自身の創作活動について話されたあと、実際に銅版画の蔵書票を作成する過程を披露しました。銅版画は彫刻刀で彫るのではなく、ニードルと呼ばれる先の尖った金属製の筆で描画するため、紙にペンで描くように繊細な表現が可能となります。細かく描画された銅版を間近で見た参加者からは、「繊細で惹き込まれます」などの感想があがりました。
その後の実演では、この銅版にインクを詰めプレス機で圧力をかけて刷る様子と、雁皮紙という和紙を用いた「雁皮刷り」が紹介されました。
参加者からは「複数の色を使う場合はどのように制作するのか?」や「1枚の版で何枚まで刷ることができるのか?」といった質問があがり、銅版画の制作について知る大変貴重な機会となりました。


企画展「カラフル!日本の蔵書票 -技ひかる小版画の世界-」は、7月19日(土)まで開催していて、若月氏の銅版画作品も会場で見ることができます。

企画展の詳細