2025.05.26.
第27回リサーチ・コンソーシアム総会・記念事業「グローバル社会への貢献を通じて『続く未来』を創造する」を開催

5月16日、西宮上ケ原キャンパスの関西学院会館にて、第27回リサーチ・コンソーシアム総会・記念事業を開催し、120人を超える方々が参加しました。
本総会は関西学院大学院総合政策研究科リサーチ・コンソーシアムが主催となり毎年開催しており、その時々に社会で問題・課題となっているテーマを取り上げて議論を交わします。今年度のテーマは「グローバル社会への貢献を通じて『続く未来』を創造する」。同研究科が2025年4月に国連システム政策専攻(修士課程)を開設したことを記念し、基調講演やパネルセッション、ポスターセッションなどが行われました。

基調講演では、国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)所長の山口しのぶ氏が登壇。同研究所が取り組む4つの研究テーマ『気候変動と持続可能な開発のためのガバナンス』、『生物多様性と社会』、『水と資源管理』、『イノベーションと教育』について紹介し、「4つの分野を個別に考えるのではなく、連携させながら新しい施策を生み出すことが重要」と語りました。また、SDGsの達成状況を確認するパートでは、学校に通えていない児童・生徒が世界で2億5000万人いることに触れたのち、「データをアベレッジで見ることも大事だが、エリアやローカルの観点から把握することがSDGsの実現には必要」と指摘しました。

続いてのパネルセッションでは山口氏のほか、国連や国際協力機構(JICA)の職員としての経歴を持つ方々などが登壇しました。村田俊一・国連・外交統括センター長はアフリカでの厳しい経験を振り返りながらも、「人間が好きという共通の価値観をもった人との仕事は面白く、達成感があった」と話しました。国際協力機構(JICA)企画部次長で本学総合政策学部の卒業生でもある室谷龍太郎氏は2023年2月にトルコで発生した地震の支援活動に触れ、「大地震を経験した日本の支援チームとトルコの現地の方々が、一緒に危機を乗り越えようと思いを一つにして取り組めた」と話しました。
最後に若い世代へのメッセージとして、道券康充・総合政策研究科教授は「新保守主義が台頭し、これまでの多国間主義が攻撃されるなか、今一度、なぜ国際機関でグローバルに貢献したいのかを考えてほしい。信念を持つことが大切」とエールを送りました。