2024.12.09.
法学研究科研究員の田中豊さんが暁烏敏賞を受賞

下段中央が田中さん

下段中央が田中さん

第40回 暁烏敏(あけがらすはや)賞の贈呈式が11月24日に石川県白山市のグランドホテル白山であり、日本政治思想史を専門とする法学研究科研究員の田中豊さんが 暁烏敏賞を受賞しました。

同賞は、石川県白山市に生まれ「近代的な哲学思想を広め、日本の思想界に大きな足跡をのこした」暁烏敏を顕彰する目的で創設されました。

受賞した田中さんの論文は「横井小楠と中江兆民における「西洋」認識:民本思想から民主思想へ」。幕末明治期において、怒涛のように流入した西洋に由来する政治思想が、本来無関係であるはずの東アジアで発展した儒学思想と、実は思想的に一致するとみなした儒学者として横井小楠と中江兆民に注目しています。二人の儒学思想において近代化に寄与する原動力があることを明らかにした本論文は、従来の儒学観に対する我々の先入観を再考させたと選考委員会によって高く評価されました。

田中さんは「幕末明治期において、近代西洋政治思想が儒学を介していかに受容されたのかに関心をもち、これまで研究をしてきました。この度、横井小楠と中江兆民の思想を検討した本論文に、このような栄えある賞をいただき心より嬉しく思います」と話しています。