2024.07.19.
第171回芥川賞 卒業生の松永K三蔵さんが受賞

松永K三蔵さん 提供:講談社

松永K三蔵さん 提供:講談社

第171回芥川龍之介賞(日本文学振興会主催)の選考委員会が7月17日、都内で開催され、本学文学部を卒業した松永K三蔵(まつなが・けー・さんぞう)さんの『バリ山行(さんこう)』(『群像』2024年3月号掲載、単行本:2024年7月25日 講談社刊行)が選ばれました。

このたびの受賞を心よりお祝い申し上げます。今回の受賞を機に、松永さんの更なる活躍が期待されます。

松永さんは『カメオ』(『群像』2021年7月号掲載)で第64回群像新人文学賞優秀作を受賞しデビュー。小説のほか、『文学のトゲ』(『群像』2023年6月号掲載)などのエッセイも執筆しています。

ゼミの指導教員 細川正義・名誉教授のコメント

『バリ山行』(著:松永K三蔵、『群像』2024年3月号掲載、単行本:2024年7月25日 講談社刊行)

『バリ山行』(著:松永K三蔵、『群像』2024年3月号掲載、単行本:2024年7月25日 講談社刊行)

松永K三蔵君、芥川賞の快挙を心よりお喜びします。大学では2年間ゼミで共に過ごしました。もう20年以上過ぎていますが、学生時代はかなりの読書家で、文学作品の読み込みの深さ、高い理解力だったことが印象に残っています。そして、卒論に書かれた『坂口安吾論』の優秀だったことは今もはっきりと記憶しています。今回の『バリ山行』の主人公に描かれた〈生きること〉への寡黙で真摯な問いかけと、〈人間の善意〉は、前作『カメオ』にも通じており、松永K三蔵文芸の魅力の核となっていくと思います。今後更に展開していただいて、読者の生きる道の指針になる作家になってほしいと願っています。

細川正義