2024.05.02.
明石康氏へ名誉博士学位記を授与

4月30日(火)、明石康氏への名誉博士学位記授与式を西宮上ケ原キャンパスの関西学院会館で挙行しました。

明石氏は1957年、国際連合に日本人初の職員として入職し、1979年から1997年までの18年間、国連事務次長級の重職に就かれました。本学においては、2016年度から2020年度まで大学院副専攻「国連・外交コース」で大学院生の教育に当たられ、また、2016年度から2023年度にかけ高校生を対象とした「関西学院世界市民明石塾」で未来の世界市民を育む取り組みにもご尽力いただきました。
このたびの授与は、明石氏のこれまでの国際社会の平和構築ならびに人道支援にかかわる多大な功績と社会貢献を称えたものです。明石氏は「今回の授与には大変な名誉を感じている」とコメントしました。

授与式に続く講演会では「私と国連 その軌跡と未来」をテーマに、国連職員として国際社会の平和実現に取り組んだ様々なエピソードを紹介。なかでも、国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)ガーリ事務総長特別代表時代を振り返り、「カンボジアには弱体的な政治の一面があり、早急に民主選挙を行う必要性を感じていた」と当時の心境を話されました。そして、1993年に実施された総選挙の様子を「有権者の90%が参加し、民衆たちは喜々として選挙に向かい投票してくれた」と感慨深く語られました。
さらに今後の国連改革にも言及し、「日本は世界におけるミドルパワーとして他の加盟国と力を合わせながら行動を積み上げ、世界の諸問題の解決に真摯に取り組む姿勢を示すべき」と自身の考えを示されました。

最後には学生から花束が贈呈され、式典は盛況のうちに終了しました。