2023.09.12.
淺田紘基さん(理工学研究科 博士課程後期課程1年生)が第39回ファジィ システム シンポジウムで「FSS優秀発表賞」を受賞

淺田紘基さん(理工学研究科 博士課程後期課程1年生 人間システム工学専攻 工藤卓研究室)が9月5日から9月7日にかけて、長野県軽井沢町で開催された第39回ファジィ システム シンポジウム / FSS2023において、「FSS優秀発表賞(Fuzzy Special Session Presentation Award)」を受賞しました。

発表概要は以下のとおりです。

【タイトル】
深層学習を用いた培養神経回路網の瞬時空間パターン識別 (2C1-2)
【概要】
深層学習はさまざまな分野で有効なパターン識別手法であるが、生命科学分野においては十分な訓練データを得ることが困難であり、その活用が難しい。本研究では、生体培養神経回路網への2種類の刺激によって誘発される異なる電気活動を、瞬時の空間パターンのストリームとして抽出し、これを連結してひとつの画像に変換したものの識別を試みた。連続した瞬時空間パターンは、局所情報として<空間的パターン>が保存される「空間情報優先神経活動パターン」(SIP-NAP)と<時間的パターン>が保存される「時間情報優先神経活動パターン」(TIP-NAP)の2種類の画像に変換した。これらをそれぞれ入力データとして、事前学習済みモデルであるVGG-16を用いて転移学習を適用することで、少ない学習データによる有効な識別モデルを作成した。各種類の画像に対する分類精度を評価したところ、TIP-NAPでは90%以上の高い精度と迅速な収束が達成された。これらの結果は、時間的な情報の流れ、すなわち「ストリーム」が神経回路における情報表現に重要な役割を果たしていることを示唆する。