2023.09.08.
栗林千佳さん(理工学研究科 博士課程後期課程2年生)が WRI-17/AIG-14 で「Student Poster Award」を受賞

栗林千佳さん(理工学研究科 博士課程後期課程2年生 環境・応用化学専攻 谷水雅治研究室)が8月18日から8月22日にかけ、宮城県仙台国際センターで開催された 17th Water Rock Interaction/14th Symposium on Applied Isotope Geochemistry において「Student Poster Award」を受賞しました。

発表概要は以下のとおりです。

【タイトル】
Origin of dissolved uranium in a deep groundwater in siliceous mudstone aquifer evaluated from 234U/238U activity ratios
【概要】
高レベル放射性廃棄物の保管は安定した岩盤をもつ地下深部が候補地となっている。本発表では、北海道道北地域において、溶存酸素がほとんど存在しない非常に還元的な深部地下水を分析対象として、酸化還元状態の変化に敏感なウラン同位体比(234U/238U比)を分析し、地下水中でのウランの溶存・沈殿挙動と溶存ウランの起源について評価した。その結果、当該地下水中のウラン濃度の上昇には、基盤岩である泥岩中のオパールAという鉱物が、地下での続成作用によりほかの鉱物に変化する際の脱水反応が大きく影響していることを明らかにした。これは、放射性廃棄物処分場周辺の地下水におけるウランの挙動とその起源を理解する際に、234U/238U比が有用であることを示唆している。
【栗林さんのコメント】
234U/238U比を高精度に同位体分析する手法を、地下水中に極微量溶存するウランに応用して酸化還元状態や地下水流動を評価する研究は、とくに還元的な地下水では少ないことから関心が高く、多くの聴衆のみなさんと意見交換できたことが受賞につながったと考えています。