2023.09.01.
社会学部・鈴木ゼミが「広告、口コミに関する調査結果」の報告会を実施 マーケティング・リサーチ企業と連携

社会学部・鈴木謙介准教授のゼミでは、消費者行動や現代社会の消費現象を対象に研究を行っており、研究を通じて得た知見を広く社会に還元する活動に取り組んでいます。

2023年度はマーケティング・リサーチ会社である株式会社シタシオンジャパン(田村大輔代表取締役社長)の全面的な協力を得ながら「現代の消費者と広告」についての調査を行い、このたび「ポスト〈広告〉の時代の消費者」と題する調査報告会を8月10日(木)に大阪梅田キャンパスにて開催しました。

今回のプロジェクトでは学生たちが仮説を立て、シタシオンジャパンの指導のもと実施した調査により検証し、さらにその結果を分析し考察を行っており、産学連携の新たな可能性を示す取り組みです。

冒頭、実際に調査の設計・実施をサポートいただいた田村社長から「学生が自分たちの目線で検証と考察を行っており、「若い世代の方のリアル」を映しだした発表を聞くことは貴重な機会であり、とても楽しみにしている」とコメントをいただき、参加者の期待が高まる中で報告会はスタートしました。

学生たちはまず、「広告で商品を購入させるモデルは過去のもの。広告は消費者の一連の購買行動の中に組み込まれるものになっている」と指摘。自らの実体験を踏まえつつ、「広告を見せられた消費者は不快になっているのか」という問いを皮切りに、5つのテーマで報告を行いました。参加したゼミ学生15名は「実は広告を見て不快な気持ちになる消費者の方が、広告の内容について調べる割合が高い」といった知見を披露するなど、堂々としたプレゼンテーションを行っていました。最後に「口コミやインフルエンサーなどの影響もあるが、消費者は企業の公式情報も同時に確認している」とし、広告手法について「企業の目的・伝えたいこと、ターゲットによって、最適な方法は異なる」とまとめ、「広告は企業の目的や価値観に合わせて柔軟に構築されるべき」と提言しました。

プレゼン後も企業からの参加者とゼミ学生による活発な意見交換が行われるなど、報告会は終始盛り上がりを見せました。

発表を終えた学生たちはプロジェクトが一区切りついたことにほっとした表情を見せつつも「報告会を通じて、これからやらなくてはいけないことがたくさん見えてきた。ここからが頑張りどころ」と今後の取り組みに向けた決意を言葉にしていました。

鈴木准教授は「学生たちがやりたいことを実現できるよう、企業の方々の協力をいただきながらサポートを行ってきた。これまでも同様の教育活動を行ってきたが、今回は特に多大なサポートをいただいた分、報告内容とプレゼンテーションのクオリティを引き上げることにこだわった。学生がさらに考察を深められるよう、引き続き支援していきたい」と語りました。