2023.05.23.
村上慧・理学部准教授と名古屋大学研究グループが新発見 Nature Communications で公開
村上慧・理学部准教授(専門分野:有機合成, 反応開発, 生物活性分子)と名古屋大学トランスフォーマティブ分子研究所の研究グループは、共同研究により、植物の気孔開口を抑え、しおれを防ぐ天然物を新たに発見しました。
本研究成果は5月15日(月)午後6時(日本時間)、イギリス科学誌「Nature Communications」でオンライン公開され、世界中の科学者を驚かせました。
天然物の正体はワサビやマスタードなどに含まれる辛味成分の一つ、ベンジルイソチオシアネート(BITC)。BITCは植物の気孔が開口する仕組みを抑制することで、気孔が開かないようにすることを見出しました。さらに、BITCの最大66倍となる気孔開口抑制活性を示す「スーパーITC」分子の開発に成功しました。
これらの化合物は、切花や生け花の鮮度保持剤、農作物の乾燥耐性付与剤としてなど、実社会での利用が期待できます。
村上准教授はこのたびの研究成果発表について、「分子改変により、強力な気孔開口抑制分子であるスーパーITCを見つけました。関学のチームでは、分子のデザインや合成を担当しました。名大の木下先生、相原先生、佐藤先生との4年にわたる共同研究が実を結んだことを嬉しく思います。」とコメント。
また、研究成果の活用について、「簡単に合成ができ、かつ安定で取り扱いやすい分子です。機能が優れているのみならず、大スケールでの供給が可能ですので、これからの応用が大きく期待できます。」と力強く語りました。
関西学院大学 有機化学研究室(村上慧准教授) 関連ページへのリンク
Nature Communications 外部サイトへのリンク