2023.05.12.
サーロー節子さんへ名誉博士学位記・関西学院賞を授与

5月10日(水)、サーロー節子さんへの名誉博士学位記・関西学院賞授与式を西宮上ケ原キャンパスで挙行しました。

サーロー節子さんは本学と関係の深い広島女学院出身で、関西学院神学部を卒業し被爆者としての啓発活動をされていた谷本清牧師によって洗礼を受けてクリスチャンとなり、その影響もあってのちの平和運動へと進まれました。また、関西学院中学部で1953年から55年まで英語教師だったジム・サーロー氏と結婚され、1958年から62年までジム・サーロー氏が宣教師として本学に再来日された際、宣教師館(現、オハラホール)に住んで生活されるなど、関西学院と大変ゆかりの深い方です。

このたびの授与は、サーロー節子さんが被爆者として長年続けてこられた平和活動と、それらの活動を通して関西学院のスクールモットーであるMastery for Serviceを体現していることを称えたものです。サーロー節子さんは授与にあたり、「感動と感激で胸がいっぱい。夫も天国から祝ってくれていると思う」とコメントしました。

授与式に続く講演会では、サーロー節子さんご本人の被爆体験や、2017年に核兵器禁止条約採択のニュースを聞いた際の心情などを語られました。

その後、2017年にICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)がノーベル平和賞を受賞した際に、代表としてサーロー節子さんが演説を行った様子の映像が流れ、会場は大きな拍手に包まれました。

講演終了後には、サーロー節子さんと同じ広島県出身で、親族に被爆者を持つ学生らからの質問にもお答えいただきました。
質問で「被爆者が被爆体験を語る意味」について問われたサーロー節子さんは「被爆は正直に、様々な角度から知られるべき。被爆者の生の声を残していきたい」と語りました。 サーロー節子さんの回答を受けて、学生からは「関西学院大学には平和や人権に興味を持っている学生がたくさんいる。今回のお話は私たちにとって貴重な財産であり、学びの糧となる」という声がありました。

最後には学生から花束が贈呈され、式典は盛況のうちに終了しました。