2023.03.16.
芥川賞作家の井戸川射子さんが来校 〜創作活動を通して練達を〜

図書館にある特別コーナー。井戸川さんの著書を紹介しています。

図書館にある特別コーナー。井戸川さんの著書を紹介しています。

第168回芥川賞を受賞した井戸川 射子さん(2010年社会学部卒)を2月下旬に上ケ原キャンパスへ招き、受賞の喜びや執筆活動についてのインタビュー取材を行いました。井戸川さんは「これからも”ことば”を上手に使っていきたいです。小説だけでなく、詩や短歌などを上手に、そして自分がいいと思うものを書いていきます」と話しました。この取材の様子は学院広報誌「後援会通信」とウェブマガジン「月と窓」で4月に掲載されます。

藤井美和教授(右)と井戸川さん

藤井美和教授(右)と井戸川さん

幼少期から本学キャンパスに触れていた井戸川さんは、高校3年時の祖父の死がきっかけで、社会学部社会福祉学科への進学。大学3年次には「死生学」を専門とする藤井 美和教授のゼミに所属し、死生観、QOL、喪失、生命倫理など多彩な研究トピックに触れました。ゼミ生と「死の疑似体験」を通して生き方を問い直す時間が思い出に残っているそうです。文章を書くのが、好きではなかったと小中高時代と振り返る井戸川さんは、「教師になって、とにかく読書に励んだ」と話します。良いフレーズを忘れないためにも、メモを常に持ち歩いており、無人島にでも持っていくだろうと言うほど。言葉を「自分が好きな順番」で並べることが楽しいというこだわりも聞くことができました。小説を書くのは難しいが、自分が始めた物語を自分で終えられる時に喜びを感じるそうです。

関学会館・オハラホールでインタビューが行われました

関学会館・オハラホールでインタビューが行われました

本学のスクールモットー「Mastery for Service(奉仕のための練達)」について尋ねると、「奉仕とは、誰かのためにだけでなく、その誰かの中に存在する自分にもつながることだと思います。より良い社会の実現にむけて、練達を、創作活動を通して突き詰めていきたい」と語りました。今後は長編小説に挑戦し、様々な人を書きたいと話す井戸川さんの、さらなる活躍に目が離せません。