2022.10.20.
島根・隠岐高校の生徒が離島の課題解決案を教育学部生に発表 ウニの一種・ガンガゼに着目した磯焼け対策など

質問をする教育学部生

質問をする教育学部生

教育学部「教育課題探究実習(隠岐)」の一環として、島根県立隠岐高等学校の2年生による「隠岐ジオパーク研究発表会」が10月13日、西宮聖和キャンパスのラーニングコモンズ「リプラ」で開催され、教育学部生らが約15人、隠岐高校生25人が参加しました。
隠岐高校生はチームごとに、「隠岐の地質、地形を利用した教育をしよう」「隠岐のメディア~隠岐を盛り上げよう大作戦!~」「幸せの島大作戦~住みたいマチ 隠岐の島~」などジオパークを絡めた7つのテーマを発表しました。

ガンガゼについて説明する高校生

ガンガゼについて説明する高校生

「豊かな海を取り戻そう~磯焼けの原因となるガンガゼを美味しく食べよう~」をテーマにした発表では、磯焼けの一因となっているウニの一種・ガンガゼに着目。とげに毒があり、食味も良くないため厄介者とされているガンガゼを食用のウニと同様に美味しく食べられるように改良できれば、ガンガゼの新たな活用と数の減少になり、磯焼けの改善につながるという仮説を説明しました。また、ガンガゼに様々な餌を与えながら育て、身の色や味の変化を検証していくと展望を話しました。どのテーマも教育学部生と教員らが積極的に質問し、具体化に向けた意見交換が行われました。

高校生と大学生の交流タイム

高校生と大学生の交流タイム

発表後は、高校生と大学生の交流タイムや、この取り組みを担当する波江彰彦・教育学部准教授による模擬講義「ごみから考えるSDGs」を実施。ごみ問題はSDGsの複数の目標と関連づけて考えることができ、多角的な課題解決やイノベーションにつながることを伝えました。

最後に、生徒や学生らは西宮上ケ原キャンパスへ移動し、時計台などヴォーリズ建築を楽しみながら、交流を深めました。
波江准教授は「3年ぶりに隠岐高校生をキャンパスに迎えることができうれしい。自分たちの地域について考え抜くことによって地域の見方・考え方が変わり、そのことが地域を変えることにつながる。高校生の発表を直に聞いて大いに刺激を受け、探究することの重要性をあらためて認識した。今後は隠岐高校生と大学生がより日常的に連携し探究しあう仕組みをつくっていければ」と話しました。
隠岐ジオパーク研究は、隠岐高校の生徒が「総合的な探究の時間」において取り組んでいる地域課題探究・解決型学習です。現場で課題を学び、教育者としての資質・能力を高めることを目的とした教育学部の「教育課題探究実習(隠岐)」と2019年度から交流があります。2020、2021年度はオンラインで開催しており、今回は3年ぶりとなる対面での開催が実現しました。