2022.08.24.
明石康塾長が高校生にメッセージ「好奇心を持って学び続けて」 世界市民明石塾を開催

ディベートの様子

ディベートの様子

関西学院大学は8月2、4、5日、グローバルリーダーを志す全国の高校生を対象に、明石康・元国連事務次長(本学学長特別顧問)を塾長とする「関西学院世界市民明石塾」をオンラインと西宮上ケ原キャンパスで開催しました。6回目となる今年は、文部科学省の旧「スーパーグローバルハイスクール」(SGH)や「ワールド・ワイド・ラーニング」(WWL)連携校をはじめとする高校から29人が参加。SDGs(持続可能な開発目標)の17の目標のうち、ゴール4「質の高い教育をみんなに」に焦点を当て、「Challenges for SDGs! ~教育と私たちの未来~Education and Our Future」をテーマに、ワークショップやディスカッション、ディベートなどを行いました。

高校生にメッセージを送る明石塾長

高校生にメッセージを送る明石塾長

4日は明石塾長が登壇しました。初めに世界大学ランキングから見る日本の現状や課題を説明。日本の大学が飛躍するために必要なこととしてリベラルアーツをあげ、「専門を深めるための前提として、幅広い分野を学び、自分の考えや異なる意見に触れることが重要」と説き、学生時代に多様なテーマを教員と何度も語り合った経験がその後に生きていることを紹介しました。
その後、日本人初の国連職員であり、事務次長歴18年を含む約40年間勤務した経験を踏まえ、1990年代にカンボジアや旧ユーゴスラビアでの和平交渉等、国連平和維持活動に責任者として従事したことを紹介。大国が相手でも「NO」とはっきり述べるなど、リーダーとしての姿勢や対話の重要性を説きました。
日本人として世界中の人々と共に生きるために必要なこととして「私は91歳になった今も知的好奇心に溢れている。いつまでも好奇心を持って学び続けて欲しい」と強調。さらに、戦争を中心とした日本の歴史を学ぶこと、語学に励み発音を気にせず会話すること、謙虚な姿勢で相手の目を見て話すことなどを伝えました。

明石塾長に質問をする高校生

明石塾長に質問をする高校生

高校生らは「経験が豊富で、一つひとつの話に説得力があった。自分や日本だけでなく、世界の幸福のためという視野を常に持っておられ、自分もそうありたいと思った」「何事においても対話が大切だと感じた。そのためには知識や語学力がいる。好奇心を持ち続け、幅広く学んでいきたい」などと振り返りました。

3日間を通して、現役国連職員との対話セッションや、日本語と英語を使ったディベートを実施。国際機関や外務省等での勤務経験が豊富な本学の教授らも議論を盛り上げ、高校生は目を輝かせながら積極的に意見交換しました。最終日には集大成として、参加者全員で「教育と私たちの未来に関する青年の声明」を作り上げ発表しました。

3日間のプログラムを終えた参加者と講師
3日間のプログラムを終えた参加者と講師

動画で当日の様子をご覧いただけます。