2022.04.02.
大学と大学院で入学式(2022年度春学期)14学部に約6300人、大学院に約600人

西宮上ケ原キャンパスで実施

関西学院大学の2022年度春学期入学式が4月1、2日、西宮上ケ原キャンパスであり、14学部に約6,300人、大学院に約600人が入学しました。昨年に続き、座席の間隔を十分に取るなど感染拡大防止対策を講じたうえで実施。保証人の出席は控えていただき、YouTubeチャンネルによるライブ配信を行いました。

村田治・学長は式辞で、祝福の言葉を述べた後、ロシア政府によるウクライナへの軍事進行などで世界情勢が緊迫するなかで、先行きが見通せないVUCA (Volatility:変動性、Uncertainty:不確実性、Complexity:複雑性、Ambiguity:曖昧性)の時代になっていると指摘。ポストコロナの社会は、AI(人工知能)に基づくDX(デジタル・トランスフォーメーション)に特徴づけられるSociety 5.0が実現する社会になるとし、基本にあるのはイノベーションで、世界の価値観が自己の利益追求だけでなく社会貢献へ参画する方向に転換しつつあると説明しました。そのうえで、スクール・モットー “Mastery for Service”(奉仕のための練達)について、提唱したC.J.Lベーツ初代学長が「我らは弱きを欲しない。強からんこと、主たらんことを願う。しかし我らが主たらんと願う目的は、己れ個人の富を積むことではなく、世に仕えることでなくてはならない」と書いていることについて、「自己を修養するために強くあれ、自分の利益のためだけでなく世界人類のために自分を鍛え強くあれ、と訴えています。ポストコロナの社会に求められている価値観ではないでしょうか」と語りかけました。

さらに、「ポストコロナ社会では、新たな価値を創造する力、対立やジレンマを克服する力、責任ある行動をとる力などの変革を起こすコンピテンシー(能力・資質)が求められます。これらを身につけるには、大学時代に何でもよいから徹底的に打ち込むものを持つことです」と強調。「重要な点は、複数のことにチャレンジすること。勉学とクラブの両立、専門の勉強と海外留学や学外での活動、複数の学部にまたがる勉強というように、必ず二つのことを同時にチャレンジしてください」と求め、「イノベーションや創造性は、異なった領域に属する知識や知恵が結合した時にしか生まれません。在学中に、自分自身にチャレンジし自己を鍛え、世界に羽ばたいて世界人類の幸福に貢献するという高い志を持った“Mastery for Service”を体現する世界市民に育ってほしいと心から願います」と激励しました。

続いて祝辞に立った中道基夫院長は、関西学院は“Mastery for Service”を体現する世界市民を育むことを使命としていると述べ、世界市民になるためには二つのことが必要と説明しました。まず「世界のことを知らなければなりません。授業や研究を通して、世界の歴史、文化、言語、哲学、宗教、科学、社会を学び、知識を習得すればするほど、世界は私たちに扉を開き、その広さ、深さ、多様さを示してくれます。学びの中で自分の文化や考え方とは違うものに出合い、その違いをいかに理解するかが重要なポイントになる」と強調。次に「自分自身を知ること。自分自身を知り、受け入れるときに他者を知り、他者を受け入れることができる。そのことを聖書は『自分自身を愛するように隣人を愛しなさい』と教えています。自分自身を愛するとは、愛する自分自身とはいったい何者なのか、それを学ぶことができるのが関西学院です」と説明し、「ぜひ、関西学院のバックボーンであるキリスト教との対話を通して、その答えを発見してください。皆さんが世界とつながり、新しい知を創る世界市民になることを期待しています」と語りかけました。

2022年度春学期の大学院入学式は4月1日、西宮上ケ原キャンパスの中央講堂であり、約600人が入学しました。