2022.03.18.
5,415人が世界へ旅立つ~西宮上ケ原キャンパスで大学卒業式(2021年度秋学期)

 関西学院大学の2021年度秋学期卒業式が3月17、18日、西宮上ケ原キャンパスの総合体育館で行われました。17日午前に教育学部、理工学部、総合政策学部、18日は午前に文学部、経済学部、商学部、午後に、神学部、社会学部、法学部、人間福祉学部、国際学部と学部ごとに3回に分けて実施。11学部で合わせて学生5,415人が世界へと旅立ちました。コロナウイルス感染症対策として、昨年に続き、マスクの着用、間隔を空けた着席のほか、讃美歌や校歌を声を出して歌わないなどの措置を講じたうえで実施しました。また、今年も保証人の出席は控えていただき、YouTubeチャンネルによるライブ配信を行いました。

 村田治・関西学院大学学長は式辞で、お祝いの言葉とともにまず、「新型コロナウイルスの感染拡大によって、皆さんは後半の2年間をゼミや課外活動での学生同士、教職員との交流ができずに苦労され、寂しい思いをされたと思います」と慰労。そのうえで、ロシアによる軍事侵攻などで世界情勢が不透明になり、先が見通せない「ブーカ(Volatility:変動性、Uncertainty:不確実性、Complexity:複雑性、Ambiguity:曖昧性)の時代」になっていると指摘し、「そのような時代だからこそ、皆さんは、ポストコロナ社会、Society 5.0の社会に思いをはせてほしい」と語りかけました。世界的に価値観が大きく変わろうとしているなかで、これから必要なのは、「既存の考え方にとらわれないイノベーティブな精神」と強調。「社会に出てからも学生時代と同様に、勉強し続けること、時代に先駆けて、絶えず自己を鍛え進化・成長させることが必要。世界は変わり続けるのが当たり前で、それを先取りし、より良い社会に変えていくことが求められています」と述べました。さらに、現在の若年・壮年層が環境問題、社会的公正、腐敗の防止などの社会問題への関心が強く、「人のために貢献したい」「社会を良くしたい」という若者が増えているとの報告もあるとしたうえで、「この考え方は、関西学院大学のスクール・モットー“Mastery for Service”とほぼ同義。社会や世界の変化に対応するために、自己を鍛え、その成果を自分のためだけでなく、世界人類のために役立ててほしい。関西学院大学の卒業生としての誇りを持って、社会で活躍してほしい」と激励しました。
 その後、村田学長から各学部の代表者に卒業証書が手渡されました。

 続いて祝辞に立った舟木讓・関西学院長は、新型コロナウイルスの感染拡大で通常とは違う形になった後半2年間の学び・研究・出会いについて学生の気持ちに寄り添ったあと、関西学院のスクールモットー“Mastery for Service”を提唱したC.J.L.ベーツ第4代院長が遺した言葉“We have no fence”を紹介。「単なるキャンパスの形状を表現したにとどまらず、関西学院で学び・働くものが創造すべき社会のあり方が象徴的に表現されている」と説明し、ウクライナの戦火も含め、「社会の平和・豊かさを阻害する、有形・無形の垣根、壁の存在の中で、関西学院で学び、培った力を、ぜひfenceを取り除くために使っていただきたい」と語りかけました。そのうえで“Mastery for Service”に込められた意味合いについて、イエスが「偉くなりたい者は、皆に仕える者に、いちばん上になりたい者は、皆の僕(しもべ)になりなさい」と教えていると紹介。「仕える者、僕というのは、社会の中で弱くされたり、その存在を意識すらされていない人々のこと。そうした人々の視点に立って社会を改めて見直し、そうした人々が当たり前にその存在が平等に大切される、優しい社会になる時、すべての人にとって優しい、温かい社会が実現する」と述べ、「培ってこられた様々なタレント(才能)を惜しみなく発揮していただきたい」と激励しました。
 式の終わりには、校歌「空の翼」が映像とともに流れ、卒業生を温かく送り出しました。
 

491人に学位記を授与 大学院学位記授与式

 2021年度秋学期の関西学院大学大学院学位記授与式は3月16日、西宮上ケ原キャンパスの中央講堂で行われ、修士学位記358名、専門職学位記104名、博士学位記29名、計491名に授与されました。
 村田治学長は式辞で、「世界や社会が変化していくときには、一人ひとりが進化し変わっていかなければなりません。絶えず変化する技術や世界についての科学的知見を吸収し続けることが必要。大学で身につけた資質や能力を基礎に、社会に出たときにこそ、新しい勉強とチャレンジが始まると認識して下さい」と語りかけ、「皆さんには無限の可能性があります。既存の考え方に囚われることなく、困難と思われることにも真正面からチャレンジしてください。地球規模の課題を絶えず念頭に置き、目の前の仕事との関係を意識して、社会と人類に貢献することを忘れないでほしい」と激励しました。